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富士講支えた「御師」外川家の250年たどる企画展 富士吉田

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富士講支えた「御師」外川家の250年たどる企画展 富士吉田

 富士講信者が登山で宿泊し、祈願を受けた御師(おし)住宅のひとつ「旧外川家住宅」は、明和5(1768)年の建造から250年。その歴史をたどる記念企画展が、ふじさんミュージアム(富士吉田市上吉田)で開かれている。今年は富士山の世界遺産登録から5年。国の重要指定文化財で、世界遺産の構成資産でもある同住宅にまつわる展示を通じ、富士山信仰の世界をのぞいた。

 企画展を担当する布施光敏学芸員は「御師」の由来を「宿の当主は神職。宿泊の世話に加え、登山の安全を祈願した『御祈祷師(ごきとうし)』。これを略した」と説明。江戸後期の上吉田には86軒の御師住宅があったとされ、「旧外川家住宅は中程度の規模だった」という。

 企画展の入り口に巨大な掛け軸のような幟(のぼり)がある。数人から100人を超える富士講もあり、それぞれの講は御師住宅の檀家(だんか)という関係だった。幟は宿泊する講から奉納された「おおまねき」で、「これを掲げて信者の来訪を歓迎した」(布施学芸員)。

 「斎服」と呼ばれる御師が祈祷などで身につける上位の白装束や、神前に置かれ、富士山をかたどった木製の台座に円形の鏡を据えた「御神鏡」なども。

 展示品はミュージアムと、10年前に一般公開された旧外川家住宅が所蔵する約50点。食器、茶釜、登山用防寒着のほか、明治末期から大正時代の行われた祈祷の写真なども展示されている。布施学芸員は「節目の年に富士山信仰に触れ、魅力を再発見してほしい」と話した。

 三重県鳥羽市から訪れた宮本宗彦さん(65)は「旧外川家の檀家が江戸だけでなく、(現在の)千葉県市原市に集中していたのに驚いた」とゆっくりと観覧していた。

 企画展は9月24日まで。午前9時半~午後5時。火曜休館(8月末まで無休)。入館料(大人400円)で観覧できる。