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長野県知事選 今回も政党支援鮮明 必要なのは「県の将来像」

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 19日告示、8月5日投開票の知事選は自民党など県議会の大勢から支持を受ける現職の阿部守一知事(57)と、共産系で元上田市議の新人、金井忠一氏(68)との一騎打ちになる見込みだ。各党の支援態勢は、平成26年の前回選挙と同じ構図となる。政党色が前面に出る首長選の場合、候補者にとって、一定の支持を見込めるメリットがある半面、無党派層の離反を招く懸念を伴う。過去5回の知事選を中心に、各党の立ち位置を振り返った。(久保まりな)

 ◆きっかけは22年から

 12、14、18、22、26年の知事選に出馬した候補者は、いずれも無所属だった。政党が正式に推薦・支援をしたケースは、旧民主党政権下で実施された22年選挙からで、このときは旧民主党政権下にあり、国政の与野党対立が選挙戦に持ち込まれたため、自民系と旧民主系の候補が対決。旧民主系の阿部氏が初当選を果たした。

 自民党は、国政で連立相手だった公明党と連携し、元副知事の腰原愛正氏を擁立。阿部氏は旧民主党のほか、社民、旧国民新両党の推薦も得た。選挙戦は、約5千票差という薄氷の勝利だった。

 26年選挙では、自民、公明両党が前回選挙でとった態度を改め、阿部氏を推薦。共産党を除く「オール与党」で阿部氏の支援態勢は盤石となり、50万票以上の得票差をつけ圧勝した。得票率は84%超に達した。

 ◆田中県政で各党混迷

 戦後から12年の選挙まで、歴代の知事は3人しかいない。3期、6期途中、5期と多選首長が続いたためで、県庁OBばかりだった。各党とも、推薦・支援を見送り、自主投票になっている。

 一変したのは、無党派層から圧倒的な支持を得て田中康夫氏が県トップに就いた12年選挙。有力な対立候補が元副知事だった事情もあり、「官民対決」と評され、各党とも支援態勢を一本化できなかった。

 その後、「脱ダム」宣言など田中氏の県政運営に反発する動きが活発化し、14年に行われた出直し選挙では、戦後最多と並ぶ6人が出馬。党内の思惑が交錯し、各党が自主投票を選択した結果、反「田中票」は分散。田中氏が次点候補を40万票以上引き離し再選した。

 田中氏は18年選挙で、自民党などが支持した元同党衆院議員の村井仁氏に敗れる。田中氏の手法に対し、県民の間にも疑問の声が広がった上、反「田中票」が村井氏の支持で固まったためだとみられる。実際、田中氏は、14年選挙と比べると30万票弱、得票数を減らしている。

 ◆政策こそが鍵

 今回選挙で3選を目指す阿部氏には、自民、公明両党のほか、旧民主系の立憲民主、国民民主両党や、社民党の計5党が推薦を決めた。共産党は金井氏を推薦し、各党の支援態度は鮮明となっている。

 県政関係者は「首長には公平な行政を運営する責任が課されている。不偏不党が大原則だ」と、政党の推薦・支援に疑問を呈する。だが、有力候補者はいずれも、選挙戦に入れば政党の組織力に依存せざるを得ないのが実情だ。

 県世論調査協会が実施した県民世論調査では、知事選と政党との関わりについて、「あまり関わらなくてもよい」との回答が65%に上った。政党より政策-。候補者に求められるのは、政党の推薦・支援の有無ではなく、選挙戦を通し、長野の将来像を具体的に語る姿勢にあるといえる。

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