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トンネル湧水「必要なら全量大井川に」 リニア着工へJR譲歩 静岡

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 南アルプス地下を貫通するリニア中央新幹線工事によって大井川の流量が減少する問題でJR東海は4日、利水者団体や周辺市町に「必要と認められればトンネルから湧き出た水の全量を大井川に戻す」との新たな方針を説明した。この日、同社が開いた説明会で明らかにした。

 地元側は同社と工事に関する協定を結ぶ前提として「トンネル湧水の全量を川に戻す」と明言するよう強く求めており、静岡工区の早期着工を望む同社が地元に歩み寄った形。ただ、利水者団体の代表者は「JRの説明はあいまいで納得できない」としており、事態の打開には至りそうにない。

 リニア新幹線工事が大井川の水量に及ぼす影響については、同社が環境影響評価の過程で「工事により流量が減少するが、減少分の水は大井川に戻す」としたことに、流域の利水者団体や自治体が反発。工事によってトンネルから湧き出た水の全量を大井川に戻すよう強く要求した。この問題が尾を引き、同社と地元との協定締結に向けた協議はいっこうに進んでいない。

 この日の説明会で同社は、トンネル湧水の全量をくみ上げ可能なポンプを設置し、有識者委員会が必要性を認めればトンネル湧水の全量を大井川に戻すという新たな方針を示した。すでに県には説明済みというが、利水者団体に明言したのはこの日が初めてだった。

 説明会後に取材に応じた利水者団体の代表は「『必要ならば』『認められれば』などの条件を付けるのではなく、協定にトンネル湧水の全量を大井川に戻すと明記してほしい」と従来の主張を繰り返し、「全量を戻すという点においては何も進んでいない」との認識を示した。

 リニア新幹線工事をめぐっては、静岡市とJR東海が6月、市が希望する県道へのトンネル整備を同社の費用負担で行うことを盛り込んだ基本合意を締結済み。この合意により、静岡工区の早期着工に向けて残された最大の懸案事項が大井川の水問題となっていた。

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