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人口減のまち、切り札は教育 川根高、環境整え“留学生”集める 静岡

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 緑豊かな自然に囲まれた県中部の川根本町ではいま、“教育”の切り口で街おこしを目指す斬新な取り組みが行われている。県立川根高校では平成26年から「川根留学生制度」と称し、県内各地から生徒を集める活動を展開。現在では全校生徒139人のうち約41%が川根留学生となるまでに成長。川根留学生の学習環境を充実させるべく同町は、今年4月に公営塾を開設。川根高校の魅力を向上させ、若者が集まる街の創造を目指している。(石原颯)

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 ◆月額3000円の公営塾

 平日の午後7時を過ぎると、部活帰りの生徒が続々と集まり始める。

 同町が留学生の宿泊施設として建設した同町若者交流センター「奥流」の一角に設けられた公営塾。高校受験を控えた中学3年生から高校3年生の計63人が通う。個別指導型で、生徒一人一人の学力と目標に合ったカリキュラムを組んで丁寧に指導が行われる。

 「今日は宿題やります」と入ってきた生徒も。町から運営を委託されている「Birth47」(東京)の大山敦人塾長は「基礎から難関大まで幅広く教材をそろえている。単元テストや宿題にも柔軟に対応している」と強調する。

 教育環境の充実を誘因に留学生を呼び込みたい川根高校だが、これまで予備校が近くにないのが玉にきずだった。

 同校3年生の小林実奈さん(17)は、高校受験時には島田市の塾まで通っていたという。公共交通機関も夜間は本数が少なく保護者の送り迎えが必須。公営塾ができたことで「(親の)負担が減っている。移動時間も勉強時間に充てられるのはプラス」と喜ぶ。

 公設民営のため料金も月額3千円と格安。同町教委の前田修児政策専門官は「塾ができると聞いて(川根高校を)選んでくれた人もいる」と手応えを見せる。

 ◆全校生徒の4割

 同校が“川根留学生”として遠方から生徒を集めるようになったのは平成26年度入学生から。県内から幅広く生徒を集めなければ統廃合は免れないと、もともと同校が連携している近辺の中学3校を除く、遠方の入学希望者を「川根留学生」と称して呼び込むことにした。当時の校長と副校長が全県の中学校を飛び回ってPR。26年度は男女1人ずつが入学。同町が寮を用意した。

 留学生は次年度には10人に急増。現在ではさらに増え、毎年20人ほどが入学するようになり、今年度は全校生徒の約4割に当たる57人が留学生だ。留学生の増加に合わせて町営の寄宿舎も増設し、留学生のほとんどは寮で生活している。「自立したい」「環境を変えたい」という生徒に人気なのだという。

 ◆県外から特別枠

 今年度からは、他の県立校に先駆け、同校の募集要領に特別枠「県外生徒特色選抜」を新たに設け、県外からの留学生の募集を始めた。募集が決まったのが昨年7月と遅かったため、今年度は受験生が0人だったが、来年度は「手応えがある」(前田氏)。

 今回新設した公営塾は、こうした県外からの留学生にも大きな魅力として映るはずだ。

 町教委教育総務課の宮島明利課長補佐は「塾を媒介として若者にたくさん入ってもらい、街の色々なところで活躍する人たちが出てくれば」-。人口減にあえぐ同町。若者が活躍する街の創造に期待を寄せる。

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