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横浜市の喫煙禁止地区制度開始から10年 過料件数は横ばい 加熱式たばこも対象

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 屋外の公共の場で喫煙を禁じる横浜市の条例で、違反者から過料2千円を徴収する罰則の適用が始まってから、今年で10年が経過した。適用開始後、過料徴収の年間件数は急減したが、近年も毎年1千件を上回っており、減ってはいない。普及が著しい加熱式たばこは規制対象となっているが、市民の間では情報が共有されていないのも実情だ。市は美化推進員の巡回数を増やすなど、警戒を続けている。(王美慧)

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 「ここは喫煙禁止地区です」。某日の午後2時ごろ、おそろいのジャンパーを着た美化推進員2人が同市西区の路上でたばこに火をつけた男性会社員(21)に声をかけた。「たばこの火を消してください」。その場で携帯灰皿を差し出し、喫煙所へと促した。男性会社員は「違反だとは知っていたが、喫煙所に行くのが面倒くさかった」と話した。

 ◆その場で2千円徴収

 市は平成20年1月から、横浜駅周辺の約6・2ヘクタールを喫煙禁止地区に指定。路上での喫煙や火のついたたばこを持つことを終日禁止した(市が設置する指定喫煙場所は除く)。県警OBを美化推進員に採用しており、今年度から2人増員して、計20人となった。違反行為を現認すれば、その場で過料2千円を徴収する。

 市によると、実際に過料を徴収した件数は約10年間で、計2万8409件。徴収を開始した翌21年度にピークを迎え、5755件に上った。

 その後、25年度は1803件にまで減少したが、26年度1926件▽27年度1292件▽28年度1681件▽29年度約1800件-と、喫煙禁止地区を新たに追加した背景もあるが、近年の徴収件数は横ばいだ。市内では当初から年末年始を除き、毎日、過料を徴収する美化推進員が活動している。市は詳しい活動日程や時間は明らかにしていないが、「ここ数年、巡回する頻度を増やしている」という。

 ◆10月から二俣川駅も

 喫煙禁止地区では、路面表示や看板で啓発をしている。この日の約1時間で、美化推進員が同駅周辺で発見した喫煙者は、加熱式たばこ1人と紙巻きたばこ1人の計2人。だが、同駅前の飲食店に勤務する30代女性は「店の前の路上には吸い殻がいくつも落ちているし、たばこを吸っている人もよく見る」と証言した。

 市は、市中心部の同駅や関内駅、桜木町駅周辺など計7カ所を喫煙禁止地区に定めている。

 また、市に二俣川駅周辺を「喫煙禁止地区にしてほしい」という要望が多かったことなどを理由に、今年10月から同駅周辺も新たに追加する。

 市は路上で加熱式たばこを吸っている場合、例外扱いせずに規制対象としている。現状では、加熱式たばこも規制対象という情報が浸透しておらず、美化推進員は「今後も積極的に周知していきたい」と話した。

 ◆クレーム昨年度700件

 加熱式たばこは専用の器具を使い、火を燃焼させずに電気で熱してニコチンを含む蒸気を吸う仕組みのたばこで、煙が出ず、臭いも少ないのが特徴だ。規制対象の理由として、市は「使い捨てカートリッジ(フィルター)のポイ捨てが懸念されるなど、ポイ捨て禁止の観点から加熱式たばこも同様に考えた」としている。

 市に寄せられた屋内外のたばこに関するクレームは、昨年度700件を超えた。内容は「喫煙のマナーが悪い」「ポイ捨てしている」「煙の臭いが嫌だ」などさまざまだ。

 林文子市長は定例記者会見で「横浜市では大規模イベントの開催など、多くの人が訪れるため、今後も対策にしっかりと取り組んでいきたい」と話した。

 横浜市ポイ捨て・喫煙禁止条例 「環境美化」を主な目的として制定された横浜市の条例で、市内全域でたばこの吸い殻などのポイ捨てを禁止している。また、歩行中に喫煙をしないよう努力義務を課している。平成20年1月から市内7地区を喫煙禁止地区とし、屋外の公共の場所での喫煙を禁止。同時に違反者から過料2千円を徴収する罰則の適用が開始された。

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