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【被災地を歩く】岩手・みちのく潮風トレイル おもてなし力高め復興の一助に

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 岩手県が今年度から始めた「みちのく潮風トレイルおもてなし事業」の取材で6月末、宮古市にある三陸沿岸の景勝地、三王岩(さんおういわ)を初めて訪ねた。「みちのく潮風トレイル」は環境省が設定する青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋岸を巡る約900キロの長距離自然歩道。来年3月に全線開通する。おもてなし事業はこれに合わせ、岩手県内に多くのトレイル客を誘致、震災復興に役立てるため、地元のホスピタリティーを高めるのが狙いだ。

 ◆大型イベント続々

 背景には来年以降、県内で大型のイベントが目白押しという事情がある。平成31年に三陸防災復興プロジェクト2019の各種イベントが三陸沿岸をはじめ県内各地で開かれるほか、JR山田線の宮古-釜石間が第三セクターの三陸鉄道(本社・宮古市)に移管され、南北のリアス線がつながり「リアス線」(久慈-盛)として一貫経営される。32年には釜石市でラグビーワールドカップが開催される。

 今回の事業は浄土ケ浜ネイチャーガイドに参加するガイドの案内で応募した参加者が実際にルートを歩いて理解を深めてもらおうというもの。宮古市や岩泉町、山田町、田野畑村から、15~76歳の21人が参加。ガイドの佐々木洋介さん(35)の案内で、宮古市のグリーンピアみやこ周辺のルートを草刈りやごみ拾いをしながら歩き、三王岩の地質的な特徴などについて説明を受けた。

 三王岩は高さが50メートルの男岩を中心に太鼓岩が右、女岩が左に並ぶ。表面が荒々しく削り取られた奇岩の風景は圧巻。参加者は海岸線まで降り、三王岩は1億1千万年前に堆積した地層で、元々は熱帯にあったが大陸移動で日本列島ができる過程で北上、波と風に削られて形成された、といった説明を聞いた。

 また、東日本大震災の津波で200トンの巨岩が30メートル移動して海岸に打ち上げられたことや、海岸線から20メートル近くの高さにある松は津波を受けた部分の枝がなくなったことの説明も受けた。最年少で参加した宮古商業1年の菊地楓斗君(15)は「1億年なんて全く知らなかった。興味が沸いてきた」とニッコリ。

 ◆思った以上の反響

 岩泉町の日本三大鍾乳洞の一つ「龍泉洞」のガイドを務める団体職員の杉山晶さん(28)は「勉強のつもりで参加しました。現場で実際に説明を受けられて楽しかった」と目を輝かせた。事業を担当する宮古保健福祉環境センターの菊池恭志環境衛生課長は「思った以上の反響。地域全体で盛り上げていきたい」と話し、秋に再び開催、来年度も事業を継続する。

 佐々木さんは「これだけ長い海岸線のルートは世界最長。三陸沿岸の美しい景観はどこにもない」と強調する。環境省東北地方環境事務所の自然保護官、牧野友香さんは「トレイルは自分でコースを選べるのが魅力。みちのく潮風トレイルにはバラエティーに富んだコースがある。好みに応じて楽しんでいただきたい」と話す。

 青森県八戸市-岩手県久慈市が平成25年度に開通してから、これまでに23区間が開通した。残るは岩手県の岩泉町北部、宮古市南部-山田町、宮城県の石巻市-仙台市の3区間だけ。東北地方環境事務所は各区間の詳細地図を無料配布している(郵送の場合は送料のみ有料)。問い合わせは同事務所(電)022・722・2870。 (石田征広)

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