産経ニュース

【かながわ美の手帖】山内龍雄芸術館「開館2周年記念展『山内龍雄 無の世界』」

地方 地方

記事詳細

更新

【かながわ美の手帖】
山内龍雄芸術館「開館2周年記念展『山内龍雄 無の世界』」

山内龍雄芸術館=藤沢市(山根聡撮影) 山内龍雄芸術館=藤沢市(山根聡撮影)

 ■原野で見つめた境地 絆が生んだ唯一無二

 北海道の原野のアトリエで「無」とは何かを問い続けた画家と、彼の制作と生活を東京から支え続けた画商。藤沢市の山内龍雄芸術館開館2周年記念展「山内龍雄 無の世界」では、孤独な画家が画商と“二人三脚”で探った「無」の境地を見ることができる。絆の結実でもある。

 ◆「見たことがない」

 2人は出会うべくして出会ったのかもしれない。山内は北海道の厚岸町上尾幌に、開拓者家族の8人兄弟の末っ子として生まれた。

 父が自作の大工道具で建てた原野の一軒家だ。高校を卒業後、地元の郵便局に勤めたが、職場になじめず、3年で退職。父母と3人暮らしの21歳頃、独学で絵を始めた。以後、ほとんど人と関わらず、2階のアトリエで制作に没頭する。

 独学が幸いした。自分の描きたい作品を追求するため、自作の道具を使った。キャンバスに油絵の具を塗っては、紙のように薄く削る。

 滑らかな表面に色彩がにじみ出る、前例のない独自の肌合いが生まれた。唯一無二の制作技法で、1枚を完成させるのに数年かかることもあった。

続きを読む

このニュースの写真

  • 山内龍雄芸術館「開館2周年記念展『山内龍雄 無の世界』」
  • 山内龍雄芸術館「開館2周年記念展『山内龍雄 無の世界』」
  • 山内龍雄芸術館「開館2周年記念展『山内龍雄 無の世界』」