産経ニュース

蓮田の埋蔵銭、決まらぬ対応方針 公開望む地元、県は扱い苦慮

地方 地方

記事詳細

更新


蓮田の埋蔵銭、決まらぬ対応方針 公開望む地元、県は扱い苦慮

 県は昨年12月、蓮田市黒浜の「新井堀の内遺跡」で見つかった大量の埋蔵銭の扱いに苦慮している。10万~20万枚と推定される埋蔵銭の発見から半年になるが、調査方法などについて対応方針はまだ決まっていない。新たな観光資源としての可能性もあるだけに、地元は一日も早い一般公開を待ち望んでいる。

 遺跡は中世の武家館跡として知られ、県埋蔵文化財調査事業団が昨年12月、県道建設工事に伴う発掘調査中に大きな甕(かめ)に入っている埋蔵銭を発見した。

 甕の中には中国の唐や明の時代に鋳造され、日本にも渡ってきたとされる「開元通宝」や「永楽通宝」などが入っていることが確認されている。一つの甕の中から出土した古銭の量としては国内最大になる可能性があるという。今年3月に5日間、熊谷市の県文化財収蔵施設で特別公開されただけで、現在は同施設で保管している。

 県は今月18日、「評価・指導委員会」の初会合を開き、埋蔵銭の扱いについて話し合った。慶応大文学部の中島圭一教授ら3人の専門家に今後の扱いについて意見を聴取したが、甕から埋蔵銭を全て出して調査するか否かで意見が分かれ、引き続き協議していくことになった。

 県の担当者は、埋蔵銭の価値や枚数が多いことなどを考慮し「慎重に対応を検討するが、あまり長い時間をかけないようにしたい」と話している。

 ただ、出土した蓮田市には市民から「いつ公開されるのか」「なぜ熊谷に保管されているのか」などといった問い合わせが多く寄せられているという。市社会教育課の小宮雪晴課長は「(県の対応方針が決まれば)可能な範囲で、市の施設での展示を考えていきたい」と話す。市内に住む男性も「埋蔵銭の一部でもいいから、地元の子供たちに一日でも早く見せてあげてほしい」と語った。 (大楽和範)