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【企業訪問 製茶編】小柳津清一商店(静岡市) 「食べる」新スタイル提案

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 地元の「本山茶」や「川根茶」を主体に茶葉を仕入れ、自社で加工、袋詰めをしてきた静岡市の製茶問屋「小柳津清一商店」が新たな挑戦を続けている。製造工程や安全性に絶対の自信を持つお茶を活用したお菓子を次々と生み出し、ファン層が一気に拡大しているという。さらに最近では、お茶の楽しみ方も提案し、ブランド力の向上に躍起だ。

 平成4年に父の後を継いだ小柳津(おやいづ)正男社長(66)が新しいお茶のスタイルを提案しようとたどりついたのが、飲むお茶に加え、茶の菓子の販売、さらにカフェも併設した店舗の展開だった。

 19年に「雅正庵」と名付けた“1号店”を開設。店名に採用した「雅」には、「雅の心は温かい思いやりのある和の心」などの意味を込めた。「お茶にぴったりでしょう」。小柳津社長はこう話す。

 店内に入るとお茶製品がズラリと並び、心温まる空間が広がる。提供するのは「新しいお茶文化」。飲むお茶だけでなく「食べる・楽しむ」ことで、さらにお茶に親しんでもらいたいとの思いを伝えたいからだ。これまでに焼津市内を含めて4店舗を構えるまでに至った。濃い抹茶クリームなどを入れた大福をはじめ、抹茶ジェラート、抹茶バウムクーヘンなど“食べるお茶”は現在までに30種類以上を開発したという。最新作は抹茶をふんだんに使ったカスタードケーキの「茶々まる」で、ふわふわとした食感が特徴という。

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 今でこそ事業は好調だが、苦労もあった。昭和26年に父・清一さんが荒茶仲買商として始め、37年には再生加工にも参入している。その後、茶業界に衝撃を与えたのが、平成に入って登場したペットボトルのお茶の存在だ。小柳津社長も「従来のお茶文化は残るものの、徐々に押しやられるようになってきた」と感じたという。決定的だったのは平成16年に大手飲料メーカーが投入したペットボトル茶飲料の爆発的なヒットだった。

 「この時はさすがに頭を抱えた」(小柳津社長)。従来のお茶文化が廃れたわけではないが、今後押されかねない。そこで手を打ったのが茶を利用した菓子作りだったのだ。

 安心安全なものを広めるため、茶葉にはマイクロ波殺菌機を導入し、徹底した殺菌に注力。これにより、香味劣化の少ない色鮮やかな抹茶を作ることも可能となり、食べるお茶にも広がっていった。

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 もちろん「飲むお茶」にもとことんこだわる。

 時代の流れとともに機械化を進め、完全自動仕上機や袋詰機などの導入を進め、現在の品質管理につながっている。

 「何よりも飲んでおいしいお茶にこだわり、ほぼすべてを深蒸しのせん茶にしている」と小柳津社長は説明する。茶葉を深く、長く蒸すため鮮やかな緑色と、とろりとした甘み、たっぷりのコクが味わえるという。

 おいしさだけを追い求めるのではない。「安心安全で高品質なお茶こそ、われわれが常に目指しているもの」と小柳津社長。特に、温度管理にはこだわりを持つ。茶葉の保管時に3段階の温度で管理する。まず、契約茶園から仕入れた新茶(荒茶)はマイナス60度の超低温冷凍庫で新鮮なまま急速冷凍。その後、焙煎などの工程を得て仕上げた製茶はマイナス25度でねかせ、商品化したお茶は0~10度で保管するという徹底ぶりだ。「茶葉製品でもどこにも負けない」と小柳津社長は自負する。

 飲むお茶、そして、スイーツにカフェと、すべてにこだわりを詰め込み、支持を集めてきた。現在、約100人の社員を束ねるリーダーは、今後も「おやいづ製茶」を発展させていく決意だ。

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 ◆イチ押し! 「鞠福」

 「おやいづ製茶」の中でも高品質な静岡茶の抹茶だけを使用したものなど3種をそろえた“生クリーム大福”=写真。餡は北海道十勝地方を中心に厳選した小豆と北海道産のビートグラニュー糖を使用。上品な甘さが広がり、静岡茶が際立つ自慢のスイーツだ。

 生地は、「試行錯誤を重ねてたどり着いた『羽二重餅』というもの。きめ細やかな舌触りと口溶けの良さは他の餅とは違う」と小柳津社長は自信をのぞかせる。

 それぞれのクリームとこし餡、生地が口の中で三位一体のおいしさを生み出す。半冷凍状態だとアイスのような食感を楽しめる。

 高速道路のサービスエリアや駅の売店でも扱っている。抹茶クリームの商品は1個160円。 (島田清)

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