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熊本地震 建設型仮設、集約の動き 退去進み、1千戸超空室に

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熊本地震 建設型仮設、集約の動き 退去進み、1千戸超空室に

自治会が解散した熊本市の塚原仮設団地 自治会が解散した熊本市の塚原仮設団地

 熊本地震で熊本県内に約4300戸整備された建設型仮設住宅で退去が進み、約4分の1に当たる1千戸超が、空室になったり閉鎖されたりしている。仮設団地を集約する動きがある一方で、自治会役員のなり手不足や移動販売の減少など、生活に支障が出ている人もいる。

 建設型仮設の入居者はピーク時、16市町村で計4184世帯に上った。その後、自立再建のめどが立った人らが退去し、今年5月末には3261世帯にまでに減少した。

 熊本県は「退去者は働き盛りの世代が比較的多く、高齢世帯が多くを占める仮設団地もある」とする。

 同県大津町では災害公営住宅の建設用地を確保する目的もあり、6カ所(計91戸)あった仮設団地を5月末までに4カ所(計76戸)に集約した。

 一方、96戸整備された熊本市南区の塚原仮設団地では退出が増え、現在は78世帯に。3月には退去した役員の後任が決まらず、自治会が解散した。見回りなどの自治会の活動ができなくなり、住人の70代女性は「孤立する人が出ないか心配」と危ぶむ。

 県内で最初に90戸が整備された同県甲佐町の白旗仮設団地も現在は60世帯に減り、半数以上が高齢者のみの世帯となった。連日あったスーパーの移動販売も売り上げの低下を受けて週1、2回に減った。近くのスーパーまではタクシーで往復約3千円かかり、女性(88)は「タクシー代が大きな負担だ」とため息をつく。

 町は乗り合いタクシーなどの対策の可能性について財政悪化や民業圧迫を理由に「(これ以上の)支援は困難」としている。被災地のコミュニティーをめぐる問題を研究する立命館大の山口洋典准教授は「見回りや買い物の支援などに住民自身が参加し、互いに支える仕組みづくりを行政が検討すべきだ」と話した。