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富士山世界遺産登録から5年 登山道や山麓、増えるごみ 外国人が一因…啓発が鍵 山梨

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 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が富士山を世界文化遺産に登録してから22日で5年となる。ごみ投棄の問題が新たな局面を迎えている。県、富士吉田市やNPO法人「富士山クラブ」(富士河口湖町西湖)によると、外国人ら登山客の増加で、吉田口登山道の5~8合目でごみが増加。一方、麓の幹線道路沿いもマイカーなどのポイ捨てが増えている。世界遺産の名に恥じぬ景観・環境保全への一層の取り組みが求められている。 

 富士北麓6市町村や県などの協議会が昨夏に収集した登山道のごみの量は、5合目が0・5トンで2年連続で増加した。山小屋が収集した7、8合目も計1・6トンで、3年連続の増加となった。

 富士吉田市富士山課は「5合目は弁当がらやペットボトル、登山用のつえが多く、7、8合目は空き缶・瓶などが目立つ。全体のうち半分位は10~20年前の古い廃棄物だ」と説明する。

 富士山クラブの青木直子事務局長も「これまで登山道はごみがほとんどないと思っていたが、外国人登山者の増加で増えたと思う。ごみ箱がないことを知らず、日本人のようにごみを持ち帰る習慣もないからだと思う。外国人向けの啓発が鍵になる」と指摘する。

 県世界遺産富士山課によると、昨年のお盆期間には外国人登山者によるたき火や、使用済みの雨がっぱなどの大量の投棄があった。このため、県は今年初めてお盆期間に限定し、富士山レンジャーなどを動員して外国人に直接、注意を呼びかけるという。

 富士山麓の幹線道路でもポイ捨てごみが増えている。散乱する紙くず、たばこの吸い殻、空き缶、ペットボトル…。改善に向け、国や山梨・静岡両県、富士山麓の11市町村、企業、住民、NPOなどが3年前から、「ぐるり富士山風景街道一周清掃」を実施。富士山を囲む国道139号、149号、469号沿いを清掃している。

 一方、富士山クラブが昨年主催した清掃活動は計52回。全国の企業や学校から計3084人が参加した。ごみの回収量は一般廃棄物と産業廃棄物を合わせて37・3トン。25年の95・8トンから大きく減少した。

 一見、改善と思えるが、富士山クラブの米山裕美子さんは「軽量のポイ捨てごみが増え、ごみの量が減っても数は増えている」と指摘。環境だけでなく景観の悪化も懸念される。

 県世界遺産富士山課の入倉博文課長は、富士山のごみ減量に向けて「行政機関だけでなく来訪者、住民、企業、NPOなど多様な主体による協力が大切だ」と強調する。ユネスコもこうした取り組みに注目しているという。

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