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大阪府立農芸高、余ったうどんやおからの飼料「エコフィード」で牛飼育

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大阪府立農芸高、余ったうどんやおからの飼料「エコフィード」で牛飼育

 大阪府立農芸高校(堺市美原区)が、近隣の飲食店などで余ったうどんやおからなどを使った家畜用飼料で牛を育てている。飲食店などで余った材料を使う飼料はエコフィードと呼ばれ、1月に全国の高校で初めて一般社団法人「日本科学飼料協会」から認証を受けた。飼育した牛は今春初めて出荷したほか、6月には近くのレストランで料理の提供が始まり、取り組みが広がっている。

 同校の資源動物科2、3年の生徒4人が6月上旬、学校近くのレストラン「Farmer’S origin(ファーマーズ オリジン)」を訪れ、メニューとなった「牛ランプ肉60日熟成ロースト」や「牛バラ肉の自家製コンビーフ」などを試食した。生徒らが学校で育てた乳牛の熟成肉で、肉のうまみがしっかりと出ており、上質な赤身が特徴だ。

 3年の白石真緒さん(18)は「自分たちが育てた牛がこんなにおいしい料理になってうれしい。命を頂くことのありがたさを改めて感じた」。安井昭夫シェフ(51)は「乳牛はかたくてあまり好まれないが、熟成すればやわらかく、噛めば口いっぱいにうまみが広がる。お客さんの評判もいい」と太鼓判を押す。

 同校では、乳牛19頭、和牛2頭、乳牛と和牛を掛け合わせた牛1頭の計22頭を飼育。乳牛は主に搾乳し、4回子牛を産んだ後、5~6歳で出荷されるが、一般的に肉がかたいとされ、枝肉として安価で取引される。だが、赤身が多い乳牛は、しばらく寝かせて熟成などをすればうまみが増し、やわらかくなる。同校は販路開拓を目指して交渉、同店でメニュー化された。

 牛の飼育でこだわっているのは、食品製造副産物や余剰食品を加工したエコフィードと呼ばれる飼料。農林水産省によると、畜産飼料の自給率は約30%で、多くを海外からの輸入に頼り価格変動が激しいが、食品廃棄物は年間約2800万トン(平成27年度)もあり、エコフィードが近年、注目されている。

 同校では約20年前から、ビールを製造する際に出る麦芽のカスを使うなどして試行錯誤。数年前から、近隣の商店などからうどんやおから、米などの食品廃棄物の提供を受け、乳酸発酵させてつくる「発酵エコフィード」を開発。学校近くのうどん店「丸亀製麺堺美原店」と連携し、廃棄するうどんで豚を飼育する試みも成功させ、エコフィードによる牛の飼育に着手した。

 エコフィードは牛の発育もよく、費用は一般的な配合飼料の3分の1に抑えられ、安価で安定的に供給できる。今年1月に日本科学飼料協会からエコフィードに認証されたことを受け、本格的に牛の飼育に活用。4月には、エコフィードで育てた和牛「のうげい和牛」を初めて出荷した。今後は、ワイン工場のブドウカスを使ったエコフィードを開発する予定という。

 同校の土肥正毅教諭(41)は「エコフィードで育った牛の安定供給を目指す。農芸高校の肉を広く知ってもらいたい」と話している。