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松本「牛伏川階段工」、住民の命と財産守り1世紀 今秋、記念シンポと現地見学会

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松本「牛伏川階段工」、住民の命と財産守り1世紀 今秋、記念シンポと現地見学会

 松本市内田の砂防施設「牛伏(うしぶせ)川階段工」が今年で完成から100周年を迎えたのを記念し、国や県、同市の住民団体などでつくる実行委員会は、シンポジウムや現地見学会などの記念行事を計画している。

 牛伏川は、鉢伏山(1929メートル)に水源があり、千曲川水系の田川に合流する延長約9キロの一級河川。流域一帯は、江戸時代から薪などにする樹木の乱伐が進み、洪水などの自然災害が繰り返された。

 上流から流れ出てくる土砂が、合流する千曲川水系の河床に土砂を堆積させる原因にもなり、明治時代から国や県が砂防工事を実施。大正7(1918)年に階段工が完成した。

 階段工は、フランスの砂防施設をモデルに設計されたことから、「フランス式階段工」と呼ばれる。

 周辺の地形に合わせて延長141メートル、落差約23メートルの流路には19段に及ぶ自然石の石積みが、熟練した技術で配されており、周囲の豊かな樹木と溶け合って美しい景観を形成している。平成24年には、砂防施設としては珍しい国重要文化財に指定された。

 実行委は記念行事に当たり、「1世紀にわたって流域住民の命と財産を守り続けてきた貴重な土木遺産であり、現役の砂防施設でもある」と話している。

 記念シンポジウム・講演会は10月19日、同市内で行われ、県立歴史館の笹本正治館長らによる講演や事例発表などが予定されている。現地見学会は今後、9月2日と10月18日に実施する。参加申し込みは、県松本建設事務所整備課(電)0263・40・1967。

 階段工など信州の風景を描いた画家、近藤光紀(1901~48年)の作品集めた企画展も10月に、同市美術館で開かれる。(太田浩信)