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「閖上まちびらき」まで1年 定住促進へ整備進む 病院や商店…子育て世代に課題 宮城

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 東日本大震災で大きな被害を受けた名取市閖上(ゆりあげ)地区。同市が策定した震災復興計画が平成31年度末を目安に終了する。来年5月に宣言する見込みの「閖上地区のまちびらき」まで1年を切り、いかに同地区に人を呼び込むかという段階に入ってきた。先月末には復興促進イベントも開催され、施設整備が進む一方で、地区外からの定住促進には課題も少なくない。(塔野岡剛)

 計画は23年10月に策定。当初の計画期間は29年度までだったが進捗(しんちょく)状況から延長され、31年度末までになった。

 今年4月には閖上小中学校が開校。整備が進む3棟の復興公営住宅は今年12月、公民館は31年末までに完成する見通しだ。交流人口拡大を図ろうと整備されている長距離ハイキングコース「みちのく潮風トレイル」の管理拠点「名取トレイルセンター」も12月に完成する見込みで、新しい町の姿が徐々に見えてきた。

 復興の土台ができつつある同市では住民誘致策も打ち出した。昨年9月、「住宅補助金制度」を新設。同地区土地区画整理事業区域内に住宅を新築、購入する人を対象に1世帯当たり50万円を交付する。新婚世帯と子育て世帯にはさらに50万円を上乗せし、最大100万円を受け取れる。担当者によると昨年度は9件の申請があったという。

 先月27日のイベントでは6人組の復興支援アイドル「みちのく仙台ORI☆姫隊」によるミニコンサートも花を添えた。同地区出身で将来は移り住みたいという仙台市若林区の渡辺定信さん(66)は「町は整備されつつあるのでこの機会に閖上に多くの人が来てほしい」と笑顔で話す。

 ただ、新たに移住を促すことはそう簡単ではない。

 復興状況を見学してもらおうと同日開催された「バスツアー」では、同市職員が復興状況を説明した。

 仙台市から参加した内田典子さん(39)は小学校入学前の2児の母。

 「子供を持つ親としてはもう少しという印象。病院、日用品店がないと生活が不便。子供が遊べる公園もないと母親同士の交流がもてない」と語った。

 市によると整理事業区域内に「医療・福祉施設用地」は用意されているが、現状で最寄りの総合病院までは約4キロ。公園や大型スーパーは3キロほど離れた同市美田園に集中している。

 住宅整備は進み、住める環境は整いつつある同地区。しかし、生活を支える基盤となる施設の誘致などが課題となりそうだ。

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