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中国獅子舞の全日本大会、横浜で初開催 中華街を聖地に、世界大会目指す

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中国獅子舞の全日本大会、横浜で初開催 中華街を聖地に、世界大会目指す

 中国の伝統芸能「中国獅子舞」の演技を競い合う「第1回全日本中国獅子舞大会」(横浜中華街発展会協同組合主催)が、横浜中華街(横浜市中区)で開催された。有数の“グルメの街”として国内外の観光客に親しまれている中華街に根付いた伝統文化を広め、さらなる観光客の誘致につなげたいとの思いから、関係者らが第1回大会の開催にこぎ着けた。主催者は「大会は大成功だった。獅子舞を通じて、街全体の活性化につながっていけばいい」と熱く語っている。

 大会は、市中心部の5つの商店街などが連携する「横浜セントラルタウンフェスティバル“Y159”」の一環として開催。中華街がある市内と神戸市から計6団体が参加した。

 ◆華麗な技披露

 各地の団体が横浜に一堂に会する企画は今回が初。“喜怒哀楽”をテーマに、各団体が優勝を競い、会場は活気に包まれた。

 5月27日午後2時ごろ、横浜中華街パーキングの特設会場の舞台上には、酒壺を前脚で抱え、いびきをかきながら眠る1頭の獅子がいた。爆竹の音で目を覚まし、山の上に酒をつぎに行こうと動き出す。

 力強い太鼓や銅鑼(どら)、シンバルが鳴り響くなか、2階ほどの高さまで伸び上がった獅子が橋を渡るなど豪快なパフォーマンスに、観客からは歓声が上がった。酒を手に入れて喜んだり、うれしそうに酒を飲んだりするなど、表情豊かな獅子が披露された。

 この演技で優勝した、横浜中華学院の卒業生でつくる「横浜中華学院校友会」のメンバーで、獅子頭を被って踊った王世豪(セイゴウ)さん(21)は「お客さんに喜んでもらえることを大切にした。たくさんの人に中国獅子舞に興味をもってもらいたい」といい、「次はもっと多くの獅子舞チームが集まって、街の盛り上がりにつなげたい」と話した。

 7年ぶりに横浜で獅子舞を披露した、神戸で最も古株の演舞集団「神戸華僑総会舞獅隊」の湛旭忠(タン・キョクチュウ)さん(28)は「結果も大事だが、それよりも友情を育むことが一番大切。今後は全国からもっと多くの中国獅子舞の団体が集まって、技術を競い合いながら交流を深めたい」と語った。

 ◆街の風物詩

 横浜中華街発展会協同組合の常務理事、竹本理華さん(46)は「街の食文化に限らず、代々受け継がれてきた中国獅子舞の伝統も知ってもらい、街のいろいろなイベントに足を運んでほしい」と話す。

 中国獅子舞は、中華街の双十国慶節や春節(旧正月)、結婚式などの行事にも登場し、中華街を代表する風物詩となっている。豪華絢爛(けんらん)な色使いが特徴で、シンバルや銅鑼、太鼓などに合わせて演舞する。獅子にかまれると厄をはらい福をもたらす「無病息災」などの御利益があるとされている。

 かつて中国南方の広東省で盛んに行われていたが、横浜開港後、中華街には南方の中国人が多く住んでいたため、今に至るまで「南方獅子舞」が引き継がれているという。竹本さんは「今回の大会を出発点に、将来的には横浜を舞台にした世界大会を目指し、街を中国獅子舞の“聖地”にしたい」と意気込みを語った。

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 横浜中華街発展会協同組合 横浜中華街(横浜市中区)の発展のために活動する協同組合。主に中華街内で活動する飲食店や事業者などを中心に構成されている。活動内容は、街で円滑に商業活動をするためのルールづくりや催事、イベントの運営などを行っている。