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新潟知事選で野党候補敗れる 立民福岡は負け惜しみ「時間さえあれば勝てた」

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 与党候補が勝利した新潟県知事選の結果に対し、立憲民主党の福岡県連関係者は「時間さえあれば勝てた」と語った。だが「安倍政権打倒」をメディア上で声高に叫ぶだけで、地方の組織づくりが進まない同党の弱さが露呈したといえる。弱点を克服できなければ、来年の統一地方選、参院選後も「時間さえあれば」と負け惜しみを口にすることになる。(村上智博)

 新潟での野党共闘は、派手だった。選挙期間中の6月2日には立憲民主党の枝野幸男代表、共産党の志位和夫委員長ら野党の党首・代表6人が並んで演説した。森友・加計学園問題などで政権批判を繰り広げた。

 結果はついてこなかった。

 「原発の争点隠しが与党には奏功した。(野党側は)食い下がり、共闘にも成果があった。時間がもう少しあれば勝てた」

 立憲民主党福岡県連代表の山内康一衆院議員(比例九州)は、こう語った。

 だが野党に足りなかったのは、時間だけではない。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の5月の合同世論調査の政党支持率をみると、自民党35・9%(4月調査36・0%)に対し、立憲民主党13・1%(同13・8%)だった。共産党や国民民主党は5%に満たない。

 テレビに映る派手な映像に比べ、支持率は上がっていない。

 野党第一党の立憲民主党にとって、地方組織の整備も進まない。昨年10月の党誕生以来、九州では福岡、熊本、大分、宮崎、鹿児島の5県に県連組織が発足した。

 とはいえ、その先の選挙の実動部隊となる地方支部設立は足踏みしている。

 福岡でみると、県連代表の山内氏が地盤とする衆院福岡3区(福岡市早良区など、糸島市)以外のエリアには支持組織を広げきれずにいる。

 ■福岡3区党

 組織が広がらない理由の一つが、皮肉にも一定の支持があるためだという。

 立憲民主党は、主に自治労や日教組といった左派色が強い旧総評系の労働組合の支持を受ける。こうした労組は、選挙運動のノウハウも持っている。

 「そんなぬるま湯のような環境に、福岡の立憲民主党は慣れきっている。もっと支持の裾野を広げられるはずが、3区で小さくまとまってしまった。しょせんは『福岡3区党』だ」

 立憲民主党とたもとを分かった旧民進党のある幹部は、こう揶揄(やゆ)した。

 来春の統一地方選まで1年を切った。それでも立憲民主党の福岡県連は、メディアへの露出が多い枝野氏の知名度頼みから脱皮できずにいる。

 同党福岡県連は5月19日、福岡・天神で、枝野氏を来賓に招いて、勉強会「立憲アカデミーふくおか」を開いた。

 枝野氏は「民主主義下では何もかもが一気には変わらない。でも、(旧民主党は)2009年の政権交代で全てが変わると有権者に期待感を与えてしまい、3年後に政権を失った。同じ失敗は繰り返しません」と述べた。会場の約190人から拍手が起きた。

 アカデミーは、支持層拡大に加え、統一選の候補者発掘の狙いもあった。同党福岡県連は、候補者探しでも枝野氏を前面に立てる。

 山内氏は「党発足から、時間がたっていない。各地で受け入れてくれる人を基点に、県内全域に支持を広げたい。時間が味方してくれるはずだ」と語る。

 山内氏は福岡、北九州など大都市を中心に、候補をそろえようと狙う。だが、県連に「カネがない」とされるだけに、候補擁立は容易ではない。

 立憲民主党のある県連幹部は「統一選では、政党の名前だけで当選する人もかなり出るだろう」と語った。その言葉から危機感は感じられない。「福岡3区党」からの脱却は難しい。

 ■落とせない戦い

 一方、福岡の自民党にとって、新潟県知事選は正念場だった。

 与党候補が敗れれば、終盤国会は野党ペースで進む。野党側は勢いづき、財務省の公文書改竄(かいざん)問題で麻生太郎副総理兼財務相(衆院福岡8区)の辞任を、より強く求めただろう。

 自民党内が動揺すれば、今年秋の党総裁選で、麻生氏の盟友である安倍晋三首相の3選にも、影響が及ぶ。

 麻生派の事情もあった。来夏の参院選では新潟選挙区(改選1)で、同派の塚田一郎氏が改選を迎える。知事選は何としても、落とせない戦いだった。

 福岡選出の麻生派の国会議員事務所から、秘書軍団が続々と新潟に入り、与党候補の運動を支援した。

 与党は新潟県で、平成28年7月の参院選、同年10月の前回知事選で連敗した。29年の衆院選でも自民党の議席は6小選挙区のうち2にとどまった。

 それだけに、危機感は強く、勝利に安堵(あんど)の声が漏れた。

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