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新潟知事に花角氏初当選 「県民丸」託された活性化 再稼働・人口減、待ったなし

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新潟知事に花角氏初当選 「県民丸」託された活性化 再稼働・人口減、待ったなし

 米山隆一前知事の突然の辞職によって漂流する「県民丸」のかじ取り役が決まった。県の未来を託された無所属新人で元副知事の花角英世氏(60)=自民、公明支持=は今後、東京電力柏崎刈羽原発(柏崎市、刈羽村)の再稼働問題をはじめ、歯止めがかからない人口減少や産業振興など山積する課題と向き合うことになる。県民の声に耳を傾け、県を活性化するためのさまざまな改革に挑戦することが求められる。12日に知事に就任する。(松崎翼)

 ◆「県民党」奏功

 事実上の与野党一騎打ちとなった選挙戦。花角氏は各自治体の首長や観光業界など県内各界からの支持を受け、政党色を薄めた「県民党」の姿勢をアピールした。街頭演説では持ち時間の全てを使って子育て環境の整備や、交通の利便性向上など自身が掲げる政策を愚直に訴え続けてきた。「人柄を見てもらえた」と陣営幹部が言うとおり、相手陣営の批判を一切しない誠実さも、花角氏に一票を投じた県民が評価した点の一つだろう。

 一方、野党共闘で挑んだ、無所属新人で元県議の池田千賀子氏(57)=立民、国民、共産、自由、社民推薦=は約51万票を獲得。政権への逆風を利用し、花角氏に約3万7千票差まで迫ったが惜敗した。平成28年の参院選、知事選と大型選挙での連勝で流れに乗る野党共闘だったが、今回は支持が思うように広がらなかった。

 ◆国政持ち込む野党共闘

 県政の議論が十分に深まったのか疑問が残る選挙戦でもあった。

 「新潟のことは新潟で決める」をキャッチコピーに戦った池田氏の陣営は、東京から党首クラスや知名度のある国会議員を大量投入。森友・加計学園問題などを抱える安倍晋三政権批判に絡めて、対立候補のイメージダウンを狙う戦略を展開した。地域の代表を決める選挙に国政の混乱を持ち込み、政権や官僚批判に明け暮れた。

 街頭で演説を聞く有権者の中には、一体どこの代表を決める選挙なのか首をかしげる人も多かったはずだ。「反自民」の一点のみで一致する野党共闘姿勢が際立ったからだ。自民党県連の幹部は「野党共闘は特定の主義・主張を前面に出すことに躍起になっていた」と振り返った。

 ◆長引く原発稼働停止

 柏崎刈羽原発6、7号機は昨年末、新規制基準に基づく原子力規制委員会の安全審査に合格した。だが、花角氏は福島第1原発事故をめぐる県独自の検証が終わるまで再稼働の議論には入らないという米山前知事の姿勢を踏襲する考えを示している。

 「(消費)マインドが低下している」。長引く原発の稼働停止に、立地自治体である柏崎市の桜井雅浩市長はこう強調する。花角氏は11日に県庁で開いた記者会見で、リーダーとして大切にしたいことに「人の話を聞くこと」を挙げた。再稼働に不安を抱える県民の声はもちろん、立地自治体の声にもしっかりと耳を傾ける必要があるだろう。県の検証の結論を先延ばしにする口実にしてはならない。

 街頭演説では「市町村、国、県の歯車をかみ合わせて着実に行政を前に進める自信はある」と繰り返し強調した花角氏。豊富な行政経験を生かして県政の混乱に終止符を打ち、県民の信頼を勝ち取れるか。