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若い女性に働きやすい環境を 人口集中が活力の鍵 竹内淳・日銀静岡支店長に聞く 静岡県

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 県内経済は緩やかな拡大基調にある一方、優れた技術の伝承や人材の確保、過疎化の加速など課題も多い。今年3月に日銀静岡支店長に就任した竹内淳氏に、静岡の印象や各エリアの潜在的な力、女性活躍の重要性などについて話を聞いた。(聞き手、吉沢智美、那須慎一)

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 --支店長就任から数カ月が経過したが、静岡に対する率直な印象は

 「統計などでみても静岡県は静岡市内などに人口が集中し、比較的コンパクトなまちづくりが実現できている。また、県民総生産をみると製造業のウエートが非常に高いが、第3次産業も相応に発展している印象がある。都市化という意味では進んでいて、例えば静岡駅近くの呉服町周辺2、3キロ四方は非常ににぎわっており、こうした活気は他の地方都市にはなかなか見られないのではないか」

 --第3次産業も発展しているのはなぜか

 「サービス業は、人口が集中すれば、需要が供給を呼び、人手を必要とする産業だけに、供給がさらに需要を呼ぶという面がある。それができているのが東京であり、仙台、札幌、福岡だ。県内では、静岡市の中心部で、さまざまなサービスが成り立ちやすく、それが街の利便性を高め、さらに人が集まるという好循環が発生しているとみている。県全体では人口が減少傾向にあるが、人口集中地域では、局所的には増えているところがあるはずだ」

 --過疎化が進む郊外部はどうみるか

 「上下水道などの老朽化した公共インフラをどこまで維持していくか難しい決断を求められる。現在は財政面で余力があっても、現状を維持していくのが難しくなる。だからこそ、過疎エリアの中でも人を集中させるような仕組みを作っていかなければならない。静岡県は全国と比べると1年くらい早く人口がピークを迎えているが、累計の人口減少率はそこまで悪い方ではない。そのことと、静岡県の人口集中度の高さとは、あながち無関係ではないのではないか」

 --若者の県外流出を止めるためにはどのようなことが考えられるか

 「県外に転出する人は、若い女性が圧倒的に多い。全国的にみても人口減少が進む街は若い女性が転出しているという共通点がある。このため、静岡でも若い女性にとっての魅力を高める必要があり、東京以上に女性が働きやすく、活躍できる環境を作り出すべきだろう。子育てなどは、待機児童問題を抱える東京よりも静岡は恵まれているほか、地元で働くことのメリットとして親をうまく活用できるということもある。こうした点をアピールすることが重要だ。また、女性が自由に意見を言える場を草の根レベルで作ったり、働く女性の横のネットワークを作ることなども、女性の活躍を考えるうえで重要になってくるだろう」

 --東西に長く、広大な面積を持つ静岡の地域特性をどう生かすべきか

 「静岡はバラエティー豊富で、東部エリアであれば観光があり、まだまだ伸びしろがある。静岡県の場合、外国人宿泊者数を国籍別でみると中国人が占める割合が非常に高い。全国でみると中国人宿泊者数は4分の1強くらいだが静岡では4分の3。ずっと伸びてきた中国の客をうまく取り込んできたといえるが、一方で中国の依存度が高くなるリスクもある。祝日の異なる国からの観光客を増やせば、稼働率の平準化にもつながる」

 --製造業が強い西部エリアはどうか

 「浜松は、相変わらずものづくりが強い。東日本大震災後、工場の海外転出が進んだが、日本の工場は中核的な技術などのノウハウを伝承しており、マザー工場として維持する重要性が理解されてきている。今後は、知見を集中させて、新しい技術を生み出すことで、自動運転などの大変革に対応していくことが重要だ。浜松に『次世代自動車センター』を立ち上げた狙いは、知見を共有してさらに新たな知見を呼び込んでいくことにあると思う。また、知の集積を新産業につなげるという意味では、用地の提供やインフラ整備などで地方自治体の後押しも重要だろう」

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