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情報発信力の強化に期待 日本遺産に「和歌山・広川の防災遺産」

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 文化庁が24日認定した「日本遺産」に、県内からは広川町の「『百世の安堵(あんど)』~津波と復興の記憶が生きる広川の防災遺産」が選ばれた。国連が創設した「世界津波の日」の由来になった逸話「稲むらの火」に代表されるストーリー。「町の防災文化のPRの機会になれば」。長年、「稲むらの火」を軸に防災の大切さを訴えてきた町関係者らは、さらなる情報発信力の強化に期待を寄せている。

 「百世の安堵」は、安政南海地震(1854年)の際、町を津波が襲う中、稲束に火を付けて人々を高台に避難させたとする実業家、浜口梧陵の逸話「稲むらの火」や、犠牲者の慰霊と防災意識の継承を目的に50年後の明治36(1903)年に始まった伝統の祭り「津浪祭」に代表される防災文化の継承にまつわるストーリー。

 日本遺産は、梧陵が津波から町を守るために築いた「広村堤防」(国史跡)や、人々が避難した神社「広八幡神社」(国重文)といった同町の防災に関わる26の史跡や祭りなどで構成。「百世の安堵」という名称は、広村堤防の建設計画時に梧陵が残した言葉「築堤の工を起(おこ)して住民百世の安堵を図る」から名付けられた。県教委文化遺産課は、「これまでの日本遺産にはなかった防災にまつわる遺産、ストーリーが新たな事例として評価された」としている。

 この日、同町役場や「稲むらの火の館」など3カ所では、認定を祝う横断幕を設置。西岡利記町長は「大変名誉なこと。日本遺産を構成する文化財を活用し、魅力的なまちづくりに全力で取り組みたい」とした。

 平成27年には、国連で安政南海地震が起きた11月5日を「世界津波の日」とする決議が採択されたものの、同町の全国的な認知度の向上は課題の一つ。同神社の佐々木公平宮司も、「もっと盛り上がってほしいという思いはあった」と話す。

 今秋には、世界各国の高校生が参加する「『世界津波の日』2018高校生サミットin和歌山」が開催され、同町にも約50カ国約300人の高校生が訪れる予定。佐々木宮司は「世界中の人に来ていただき、防災について知ってもらいたい。町が盛り上がってくれればうれしい」と期待を寄せる。

 今後、関係自治体などで協議会を設立し、案内板の整備やウェブサイトの作成といったPRや観光客誘致に取り組む。仁坂吉伸知事は、「世代から世代へと災害の記憶を伝え、今も暮らしの中に息づいている町の防災意識の継承が評価された。大変うれしく思う」などとコメントした。

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【用語解説】日本遺産

 文化財や伝統文化を通じた地域活性化を目的に、地域の歴史的経緯や伝承、風習などを踏まえたストーリーを文化庁が認定、支援する平成27年度に始まった制度。県内では、28年度の「鯨とともに生きる」、29年度の「絶景の宝庫 和歌の浦」や「『最初の一滴』醤油醸造の発祥の地 紀州湯浅」に続き4件目の認定となる。

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