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成田空港、多様な利用者に対応

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 2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、成田空港で障害者や高齢者に配慮したユニバーサルデザイン(UD)対応への取り組みが加速している。成田国際空港会社(NAA)は、国内空港初となる発達障害者への対応や、多機能トイレの混雑を解消するための機能分散化などを進める基本計画を策定した。今後は旅客ターミナルの大規模改修などにも着手し、多様な利用者が使いやすい環境を整える。 (城之内和義)

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 NAAなどは障害者や有識者、空港関係者で構成する「成田空港UD推進委員会」を昨年5月に設立。ターミナルの現場視察や障害者などへの調査により課題を明確にした上で、指針となる基本計画を今年4月に決定した。

 政府が昨年2月に策定した「UD2020行動計画」で、羽田空港とともに世界トップレベル水準の対応を求められたことを受けての動き。ただ、成田は40年前の開港から段階的に整備と拡張が進められた既存施設のため、物理的な制約が多いなどの課題もあった。このため空港職員の支援によるサービスの充実や事業者間の情報共有といったソフト面の対応も同時に進め、スタッフ教育の強化など独自の取り組みにも力を入れる。

 計画に基づき、すでに実施しているサービスもある。「予定外の事が起こった場合や、大きな音などに反応してパニックになってしまうことがある」といった発達障害者などの声に応え、NAAは今年1月、人目や音を遮断して落ち着ける場所「クールダウン・カームダウンスペース」を第1ターミナル国内線出発ロビーに新設した。国内空港では初の設置となり、現在の2カ所から順次増設する。

 また、多機能トイレは「機能が集中して、さまざまな人が利用することで待ち時間が長くなる」というジレンマを訴える意見があった。このため、ベビーチェアや着替え台などは一般トイレの個室に移すなど機能を分散することより、利用頻度が高い車いす対応トイレの混雑解消を図る。

 このほかエレベーターの増設や、階段の段差を明確にして視覚障害者や高齢者が安全に利用できるような改修、聴覚障害者に災害などの異常事態を知らせるフラッシュライトの設置などの具体策を推進。来年度末までの実施を目指す。

 ソフト面では適切な接遇や介助方法のマニュアル化を図り、さまざまな業種の職員が働く現場で高レベルかつ統一的な対応ができるように、全スタッフ向けの研修を行う。NAAの担当者は「外見からは障害者だと気づきにくい人も多い。相手に不快な思いをさせないように、全スタッフが接し方などを身につけ、理解を深めるための取り組みを進めたい」と話している。

 ユニバーサルデザイン 「どこでも、誰でも、自由に、使いやすく」を基本に、あらかじめ障害の有無、年齢、性別、人種などにかかわらず、多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする考え方。

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