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刑事ドラマさながら「鑑識」体験 指紋採取に苦戦、プロの“技”実感 奈良

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 事件現場で指紋や足跡、髪の毛などの証拠を集め、容疑者を割り出すための端緒を探る鑑識活動。先日、その仕事の一端に触れられる機会に恵まれた。県警本部で報道関係者を対象に実施された「鑑識体験」。捜査の裏側に迫るべく勇んで参加したが、指紋の採取に悪戦苦闘。容疑者にたどり着くまでには、地味で単調な作業が日夜繰り返されていることを実感した。 (藤木祥平)

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 挑戦したのは指紋と足跡の採取。いわば鑑識の基本といえる仕事だ。指紋と掌紋は「万人不同」「終生不変」という特徴を持ち、現場では動かぬ証拠となる。

 指紋を採取するに当たっては、アルミ粉を付けたダスターはけを使用する。空き缶を手で持ち、はけでなでると指紋が付いた部分にアルミ粉が付着。専用の粘着シートで浮かび上がった指紋を保存すれば、あっという間に採取完了だ。

 ホコリを取る要領で、はけで空き缶をたたくのかと思いきや、同じ方向に軽くなでるのがコツだとか。さっそく挑戦してみたが、どうやらアルミ粉を付けすぎたようだ。「付けすぎないことがポイント」と忠告されていたが、さじ加減がなかなか難しい。

 結局、指紋をつくり出す線状の隆起「隆線」がぼやけてしまい、初めて採取した指紋はさっぱり。この出来では容疑者にはとてもたどり着けまい。現場でミスなく任務をこなす鑑識課員の技術の高さに、改めて驚かされた。

 気を取り直し、リベンジとばかりに足跡の採取に挑戦。特殊なライトを足下に当て、床をじっと見てみると、足跡が白く浮かび上がった。これなら、土足で侵入した人物の足跡は一目瞭然だ。指紋を採取する際と同じく、空気が入らないように粘着シートを当て、転写すれば採取できる。

 似顔絵は聞く力も

 似顔絵作成の実演も見せてもらった。目撃証言に基づき、顔の特徴を再現していく。この日は簡単な実演だけだったが、普段は1枚描くのに1時間以上、場合によっては2日がかりにもなる根気のいる作業だ。警察署に貼られている犯人像の似顔絵を見ると、画力の高さに驚かされるが、実際は画力よりも聞き取り能力が大切という。

 「まじめそう?」「やんちゃそう?」「鼻は高い?」「年齢は?」…。目つきや髪形、口の大きさまで、何度も目撃者に確認しながら修正を重ねる。年齢や身長を聴いた後は「同じくらいの知り合いはいますか?」と回答に根拠を求めることも欠かさない。

 県警の奥村直樹鑑識課長(当時)は、「証拠を集めて容疑者を割り出し、裁判で有罪を勝ち取る。全ては鑑識の仕事があってこそ」と力説する。警察を舞台にした映画やドラマでは刑事にばかりスポットが当たるが、事件解決は鑑識というプロフェッショナルがいてこそ、と実感させられた。

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