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有明のアゲマキ再び 絶滅危機を乗り越え成貝増加 佐賀

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 佐賀県の有明海で平成9年以降、漁獲実績のない状態が続いていた二枚貝「アゲマキ」の漁が6月1日から1カ月間、22年ぶりに再開される。原因不明の大量死などで一時は絶滅危機にひんしたが、関係者の尽力で乗り越え、成貝が十分な量に増加した。高値での取引が期待されており、漁業者は漁の再開を待ち望む。

 「まだ小さいものも多い。ある程度資源を管理しながら採捕したい」

 佐賀県は今月16日、有識者を集めた会合を佐賀市で開いた。県有明水産振興センター(小城市)が2~3月に実施した調査結果を踏まえ、1カ月限定で漁を再開することが決まった。同センターでアゲマキの生態研究や稚貝の放流などに取り組んできた荒巻裕氏(48)は「ようやく再開にこぎ着けた」と喜ぶ。

 アゲマキは河口に近い泥状の干潟に生息し、国内では有明海が主な産地だった。高級貝タイラギなどと並び地元の特産品だ。県などの統計によると、漁獲量は昭和63年の776トンをピークに減少傾向になった。その後漁獲量が急減し、平成4年から漁獲がほぼゼロとなった。

 ■地道な調査

 漁再開は、同センターの技術がベースとなった。採取したアゲマキを3~4時間、日陰に置いてから水槽に戻すと、卵を産むことを突き止め、水槽で育てる手法を確立した。

 13年から稚貝の放流を始め、21年からは毎冬、約100万個の貝を放流した。ただ、波に流されるなどして定着しないことも多く、試行錯誤の連続だった。

 荒巻氏は「波の流れや泥の調査をして、着実な放流場所を探し当てた」と語った。

 ■高値

 放流後、大きいもので40グラムの成貝となったアゲマキを24年に福岡県の市場に出したところ、卸値で1キロ5千円超で取引された。絶滅危機となる以前と比べ、とんでもないくらいの高値だった。

 今回、漁の対象となるのは放流した貝が有明海で産卵して自然に成貝となったアゲマキだ。関係者は「天然アゲマキを、消費者が待ちわびているだろう」と自信を示す。

 現在、市場で流通しているアゲマキのほとんどを韓国産が占める。佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長も「県の地道な努力がようやく実った。国産のアゲマキに期待してほしい」と笑顔を見せた。

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