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旭化成住工東近江のビオトープ、整備1年 取り組み「CSR特別賞」受賞

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旭化成住工東近江のビオトープ、整備1年 取り組み「CSR特別賞」受賞

 ■豊かな自然、維持に一役 

 ◆トンボ種類6倍、希少種も飛来

 住宅建材メーカーの旭化成住工(東近江市湯屋町)が、環境保護を目指し工場も併設する敷地内にビオトープ(生息・生育空間)を設けて約1年となった。これまで周辺を含めて確認されたトンボの種類は6倍強に増えたほか、希少種の昆虫の生息も確認。生物の憩いの場になりつつある。

 同社工場は昭和49年操業開始。約14万平方メートルの敷地で、旭化成ホームズの注文住宅「ヘーベルハウス」の部材を生産する。同所に立地する際、ため池を埋め立てるなどしており、周辺の環境保全もテーマとしてきた。その一環でビオトープを整備した。

 ビオトープは約800平方メートル。同社が立地する際に埋め立てた6つのため池のうち、3つを再現した。そのうち2つの水深は30センチと15センチ。あと1つは、降った雨をためる。水深が違う池を用意することで、多様な生物の生息を目指した。

 池の周囲に植えたヨシやミクリなどは、環境に負荷がかからない程度で半径2キロ以内のため池などから移植している。ビオトープのコンセプトづくりで協力した環境調査会社のラーゴ(近江八幡市多賀町)は「周辺地域での理想の環境を再現した」とする。約800万円かけ、昨年6月に完成した。

 この1年で、コオイムシやコガムシなど環境省指定の希少種の昆虫を確認。また、近隣の自然環境調査で平成28年には2種しか確認できなかったトンボが、29年秋には13種に増加した。ビオトープにも今年5月、県が希少種に指定する「ヨツボシトンボ」の飛来を確認したという。

 昨年秋には近隣住民に開放して観察会も行い、多くの子供たちでにぎわったという。こうした取り組みが評価され、NPO法人「日本ビオトープ協会」(東京都豊島区)が主催する第10回ビオトープ顕彰の「CSR特別賞」を受賞した。

 旭化成住工が立地する湖東地域は79種のトンボが生息しているとされ、ため池や里山など豊かな自然環境が多様な生態系を維持しているとされる。

 同社の中島俊介社長(58)は「住民や動植物への恩返しの一つにしたい」と話した。今後も近隣小学校の観察会などを計画しているという。

 ビオトープ顕彰の表彰式は来月1日、県立琵琶湖博物館(草津市下物町)で行われる。