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乳がん経験生かし下着販売 さいたまのボーマン三枝さん「一歩踏み出すきっかけに」

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乳がん経験生かし下着販売 さいたまのボーマン三枝さん「一歩踏み出すきっかけに」

 乳がんで乳房を摘出した女性が同じ経験をした人のための下着店を立ち上げ、関心を集めている。さいたま市のボーマン三枝(みえ)さん(36)。着心地の良さにこだわり、試着会を兼ねた集いも開く。「乳がん経験者が一歩踏み出すきっかけをつくりたい」との思いが込められている。

 ボーマンさんにがんが見つかったのは31歳の頃。ステージは初期だったが、不安を残さないために乳房の全摘手術を選んだ。術後は周囲の目が気になり、外出しにくくなった。

 下着選びも、乳がん患者用はインターネット販売ばかり。試着ができず、気持ちよく身につけられるものがなかった。「同じ悩みを抱える女性は他にもいるのでは…」。自ら下着を作ることを思い立ち、平成28年5月に「下着屋Clove」を設立した。

 片っ端から電話をかけて協力してくれる企業を探し、ようやく見つかった県内の下着メーカーに試作品の製作を依頼。乳がん経験者に試着してもらい、「ホルモン治療の副作用でかく汗が不快」「胸の締め付けが気になる」などの感想を参考に、改良を繰り返した。

 クラウドファンディングなどで資金を集め、昨年5月から本格的に製造・販売を開始した。ほてりや汗に強い生地を使い、丸いパッドで自然なシルエットに整えたほか、胸元にレースをあしらって「気分が上がる」仕立てにした。

 「治療中は孤独で仲間がほしかった」と話すボーマンさん。2カ月に1回のペースで開く試着会では、これまでの体験や悩みを語り合う「おしゃべり会」も開催。「『話して元気が出た』といわれるとうれしい。落ち着ける場所を提供していきたい」と顔をほころばせる。個別での試着希望にも対応している。

 「乳がんになった母親にプレゼントしたい」という問い合わせを受けることも多いという。「病気の経験をいつかプラスに捉えられれば」。今後も背中を押す活動を続けていく。

 下着屋Cloveは午前9時~午後4時。土日、祝日は休み。問い合わせは(電)048・856・9212。