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木から造った「お酒」が飲める!? 森林総研が発酵技術開発

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 森林総合研究所(つくば市松の里)はスギやサクラなどの木材に食品用の酵素と酵母を加え、アルコール発酵させる技術を開発したと発表した。県の木「ウメ」で漬けた梅酒、さまざまな木をブレンドした「筑波山の酒」…。どんな樹木でも可能で、平成32年度にはご当地の木で造ったさまざまな「木のお酒」が飲めるようになるという。(篠崎理)

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 これまで、木材を原料とした燃料用アルコール(バイオエタノール)の製造技術はあったが、原料を高温や薬剤で処理するため、生産されたアルコールを燃料以外に使うことは困難だった。森林総研は、バイオエタノール燃料の研究を進める過程で、食品にも応用できると考え、試験的醸造として、昨年10月ごろから研究を開始した。

 木材は成分の46%がブドウ糖からできているセルロースで、発酵させればアルコールができる。水中で回転する直径2ミリのビーズで木材を細かく粉砕する「湿式ミリング処理」という技術を使い、低温で木材に食品用の酵素と酵母を加えてアルコール発酵する技術を開発した。アルコール度数は2%ほどだが、蒸留すると20%以上にできる。高温や薬剤での処理がないため、木の香りを残すことができるという。

 つくば市のスギが原料のアルコールにはスギ特有の香りが含まれ、北海道のシラカンバを原料としたアルコールには、熟した香りやウイスキーなどで感じるたるの香りがあるなど、長期間の熟成がなくても原料特有の成分が豊富に含まれるという。

 樹種によって含まれる香りが異なるため、日本に1200種類あるとされる樹木それぞれからアルコールを製造することができる。ブレンドすることや果実を加えて香りを出すことも可能という。

 発酵期間は3~4日。スギ4キロでワインとほぼ同じアルコール12~15度でボトル5本(各750ミリリットル)、ウイスキーと同じ約40度で2本(同)できる。現時点では許可を受けていないため酒税法上は「酒」ではないという。

 熟成期間や温度によってどう味が変わるかは今後の研究課題となっている。今後は有害物質の有無といった安全性を確認するほか、共同で研究開発する民間企業を募集する。真柄謙吾研究ディレクター(57)は、「木からお酒ができれば、日本各地の特徴ある樹木を用いた新しい産業が生まれ、国内の林業振興にもつながり、今までにない木の魅力の探求になる」と期待している。

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