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「ありがとうグウちゃん」 アバローム紀の国の看板犬、天国へ

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 和歌山市の「ホテルアバローム紀の国」のチャペル館長を務め、モフモフの毛並みと愛らしい姿で人気を集めた雌のゴールデンレトリバー、グウちゃん(本名・グウィネス)が急死していたことが分かった。ホテルのスタッフらが懸命の看病を続けていたが、末期がんのために今月10日、天国に旅立った。ホテルを訪れる客を癒やし、たくさんの笑顔をくれたグウちゃん。棺には大勢のスタッフや地域住民が花やおもちゃを手向け、「グウちゃん、ありがとう」と別れを惜しんだという。

 同ホテルによると、グウちゃんは4月25日からドッグフードを食べなくなり、大好物のおやつにも手をつけなくなったという。このため、秘書としてグウちゃんを世話してきた片桐美羽さん(42)が心配して動物病院に連れて行き、点滴治療を受けさせた。

 グウちゃんは治療後、5月1日にはホテルのイベントに参加し、訪れた客に愛嬌(あいきょう)を振りまいた。しかし、数日後には立ち上がれない状態に。片桐さんは別の病院で再度、診察を受けさせたが、獣医師に「末期がんだ。いつ死んでもおかしくない」と告げられたという。

 「信じられず、頭が真っ白になった」と片桐さん。がんはすでに治療の施しようがないほど進行しており、グウちゃんは呼吸すら困難な状態になった。スタッフの後押しもあり、片桐さんは勤務時間中も可能な限りグウちゃんのそばで看病を続けた。

 片桐さんはこれまで、グウちゃんの日常をブログで発信してきたが、病状を知ったファンからは「熱があるのなら保冷剤で冷やしてあげたほうが良い」などと看病時のアドバイスが書き込まれたり、ドッグフードをかめなくなったグウちゃんのために流動食を食べさせる注入器が届いたりしたという。ホテルのスタッフや近所の住民も頻繁に見舞いに訪れ、グウちゃんを励ました。

 懸命に病魔と闘ったグウちゃんが眠るように天国に旅立ったのは10日の午後3時過ぎ。グウちゃんはスタッフの手作りの棺に納められたが、スタッフらが持ち寄った色とりどりの花でいっぱいになったという。

 このホテルにグウちゃんがやってきたのは約2年前のことだ。ホテルの敷地内に迷い込んだグウちゃんを片桐さんが見つけ、上司に報告。近くに飼い主がいなかったことから迷い犬として保護された。片桐さんはもともと、犬が苦手だったが、人なつっこい性格にすっかり夢中になった。

 まもなく、近所に住む前田実さん(86)が飼い主と分かったが、このときの縁がきっかけになって29年1月にホテルはグウちゃんをチャペル館長として採用。挙式でブーケを運ぶなどして人気者になった。片桐さんも志願してグウちゃんの秘書となり、イベントに引っ張りだこのグウちゃんを世話してきた。

 片桐さんは、今でも、グウちゃんと一緒に散歩した公園を通りかかると、涙があふれてしまうという。持っているスマートフォンも撮りためたグウちゃんの写真でいっぱいだ。グウちゃんと過ごしてきたこの2年間を振り返り、片桐さんはこう話す。

 「グウちゃんはたくさんの人に幸せを運び、笑顔にしてくれた。『グウちゃん、本当にありがとう』と伝えたい」

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