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漆器産業活性化へサミット 海南など全国12市参加 海外展開など意見交換

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漆器産業活性化へサミット 海南など全国12市参加 海外展開など意見交換

 日本の文化を支えながらも、近年は国内需要の減少や後継者不足などの課題を抱える漆器産業の活性化に向けて、全国の漆器産地の自治体首長らが意見を交換する「ジャパン漆サミット」が16日、和歌山市内のホテルで開かれた。海外展開に向けた各自治体の取り組みの紹介や、漆文化の存続について話し合われた。

 漆器産業の振興を図り、全国の漆器産地を開催地として昭和63年から開催され、今年で25回目。和歌山での開催は平成13年以来だという。

 今回、事務局を務めた海南市は、400年以上の歴史を持つ国の伝統的工芸品「紀州漆器」の一大産地。同市内の漆器製造会社などが加盟する紀州漆器協同組合(同市船尾)には現在約120社が加盟。しかし、生活様式の変化による漆器需要の低下や後継者不足などが課題となっており、年々企業数が減少傾向にあるという。

 こうした状況を打開しようと、28年度から同市では後継者育成を目指した伝統技法養成事業をスタート。同組合青年部に所属する若者に向けて、研修会や講習会などを定期的に行っている。

 この日のサミットには、同市のほか、会津塗で有名な福島県会津若松市や輪島塗の石川県輪島市など計12市が参加。神出政巳海南市長は「国内需要は減少しているが、東京五輪の開催などで世界からの漆器への注目は高まっている。今一度、漆器の魅力を国内外に発信していかなければならない」とあいさつした。

 漆器産業の海外展開をにらんだソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の活用方法や補助金の交付、外国人向けの体験型プログラムの実施といった各自治体の取り組みを紹介。また、次世代に継承するため、漆の魅力や漆産地の歴史・文化を国内外に向けて積極的に発信する重要性や、自治体間の連携を強化し、漆研究についての情報を共有する必要性などについて話し合われた。

 参加した一部の自治体は17日、海南市内で現地視察を行う予定。次回のサミットは32年度に輪島市で行われる。