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日本のおもてなしを留学生に伝授 前橋の専門学校開校6年目、入学生14倍

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 ■ホテルや旅館就職率9割超

 増え続ける訪日外国人客(インバウンド)への対応と従業員不足に悩むホテル・旅館業界にとって、一挙両得となる学校がある。外国人留学生に2年かけ日本の「おもてなし文化」を伝授する「NIPPONおもてなし専門学校」(鈴木良幸校長、前橋市大手町)。開校6年目を迎え、当初25人だった入学生は今春、14倍の350人を超え、卒業生は県内はじめ各地のホテルや旅館に就職、昨年は高山村に高山校も開設された。どんな授業なのか、教室を訪ねた。

 ◆接客から着付けまで

 客の卓にティーカップを置く。客のどちら側から置くか、スプーンの置き位置や取っ手の向きは、出すタイミングは-。一つ一つ講師が説明し実践する。音をたてたり位置を間違えると客役の生徒や配る生徒自身からも笑い声が漏れた。

 講習は群馬ロイヤルホテル(前橋市)のレストランでも行われ、お辞儀や挨拶、電話の受け答え、ビジネスマナーや接客サービス、着物の着付けから茶道など多岐にわたる。講師は現役の旅館女将(おかみ)や元キャビンアテンダントなど、おもてなしのプロたちだ。授業は2年間。座学は日本語のほか、ホテル概論や予約を打ち込むパソコン操作など実践的だ。この春の卒業生は約133人。93%にあたる124人が就職を決め、うち88人が草津や伊香保、みなかみなどの温泉のホテルや旅館で働き、フロントや接客などで母国語と英語、日本語を駆使している。

 「東京で2年、日本語学校で学び入学しました。卒業後は日本のホテルで働きたい。将来は母国に帰ってホテルを経営したい」。ネパールから来たガイレ・ビマルさん(23)は流暢(りゅうちょう)な日本語で語った。

 ◆授業はすべて日本語

 学生数は現在2学年で586人。開学当初はネパール人が多かったが、その後、ベトナム人が増え、現在は両国が大半を占める。ほかにインドネシアやスリランカ、中国など計11カ国(昨年6月)。授業料は初年度が約70万円、2年目は約60万円と安くはなく、その分生徒たちも真剣。授業は、すべて日本語で「授業を理解できる日本語能力」は入学条件となっている。

 カリキュラムとは別にホテルなどでのアルバイトも認めており、生活費になるほか、バイト先の経営者に見そめられるケースも。就職が決まれば就労ビザも得やすいため東南アジア系の若者には人気という。みなかみ町観光協会の小野和明事務局長は「温泉宿などは慢性的人手不足に悩まされており、卒業生を雇った経営者からは『よく働き助かっている』との声が多い。外国からの観光客が増える中、専門教育を受け外国語に堪能な人材は即戦力。ありがたい」と期待する。

 ◆日本で働く夢と意欲

 学校を経営するNIPPON ACADEMYは前橋市内で日本語学校なども手がけ、理事長の清水登氏は群馬ロイヤルホテル社長でもある。「日本のおもてなし」を留学生に教え、国内のホテルや旅館に送り出すのは清水理事長の年来の構想。「訪日外国人客に対応できるよう、やる気のある外国の若者をしっかり教育している。彼らには日本で就職し長く働きたいという夢と意欲がある。日本で働けば経済的にも潤うし平和にもつながる」と語る。

 昨春、開校した姉妹校の高山校は調理コースも設けて日本料理の職人育成にも力を入れる。ただ、前橋市から離れていることもあり初年度の入学生は18人、今春は35人で、来春には卒業生が巣立つ。清水理事長は「異国で働くのは大変なこと。日本が嫌いになって帰国してしまうようなことがないよう、受け入れ側にも理解ある対応をお願いしたい」とも話している。

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