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負担増でも若いゾウを 静岡市立日本平動物園の2頭高齢化

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 2頭のアジアゾウを飼育している静岡市立日本平動物園(静岡市駿河区)は、現在飼育している2頭がともに高齢となっていることから、来園者へのアンケートや獣舎整備の調査を行うなど、新たに若いゾウを迎えるための準備を進めている。入園料を負担してでもゾウを見たいという声は多く、市は対応を急ぐ。(吉沢智美)

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 同園で飼育されているゾウはいずれも雌の「ダンボ」(推定51歳)と「シャンティ」(49歳)の2頭で、人間でいうところの80歳近くと高齢だ。ゾウは60歳前後で死ぬことが多く、同園では速やかに新たな若いゾウを迎え、鑑賞を継続できるようにしたい考えだ。

 ◆条約、設備…高い壁

 ただ、ゾウはワシントン条約により商取引が禁止され、繁殖などの研究目的でしか取り扱うことができない。柿島安博園長は「ゾウは繁殖が非常に難しく、国内での取引は困難。東南アジアなどの国々から輸入することになるが、他園の例だと5~10年かかることが多い」と話す。また、ゾウを繁殖させる場合、近年では雄1頭に対して雌3頭程度の多頭飼いが通例で、同園も4頭ほどの導入を検討している。現在の同園のゾウの獣舎は約500平方メートルだが、4頭ほど飼育するとなると6倍の約3千平方メートルの獣舎が必要で整備費用に数億円、餌代も年間300万円ほどかかるという。

 同園は29年12月から今年2月までの間、来園者ら1377人にゾウの新規導入に対するアンケートを実施。「ゾウを新たに導入することについて」との問いについて「賛成・どちらかというと賛成」が87%、「入園料が上がってもゾウが見たい」という問いには「賛成・どちらかというと賛成」が62%という結果になった。柿島園長は「入園料を値上げするかはまだ分からないが、『多少負担してもいい』という来園者の意見があるのは心強い」と話す。市は、今年度一般会計当初予算にゾウの獣舎整備のための調査費として500万円を計上。園内のどこに獣舎を建設するか検討し、夏前には調査を終える見通しだ。

 ◆タイの村が支援名乗り

 導入候補のゾウについては、「ゾウの村」として知られるタイのタクラーン村が支援に名乗りを上げている。県ボランティア協会が主催している高校生向けツアーで20年ほど前から同村に訪れていることが縁となり、同村の村長から「全面的に手伝いたい」と申し出があったという。田辺信宏市長も昨秋、ゾウについて駐日タイ大使宛てに親書を送っている。

 江戸時代初期にタイに渡り、日本との交流に寄与した武士、山田長政がタイで有名なことに加え、長政が同市葵区の浅間通りの出身で商店街に生家跡があることもあり、同区で「日タイ友好長政まつり」を開催している。柿島園長は「30年以上市とタイは交流があり、良い方向に進んでいると思う。ゾウがまだ元気なうちに少しずつ準備を進めていきたい」と語っている。

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【用語解説】日本平動物園

 昭和44年8月に開園。約160種700点の動物を飼育し、面積も約13ヘクタールと国内で有数の動物園となっている。ダンボは開園当初から飼育されており、シャンティも45年に1歳すぎでインドから迎えられた。所在地は静岡市駿河区池田1767の6。東名高速道路静岡ICから車で約20分。開園時間は午前9時~午後4時半。休園日は月曜日と年末年始。入園料は高校生以上が610円、小・中学生が150円。問い合わせは(電)054・262・3251。

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