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大津の中消防署移転 決まらぬ候補地、計画迷走 浸水予想区域、「調整池」指定地…「本気度疑う」

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 大津市役所別館に併設されている同市消防局中消防署(同市御陵町)の移転計画が迷走している。耐震基準を満たしていないとして移転、建て替えの必要があるものの、候補地が見つからないためだ。別館とともに整備する計画がストップし、中消防署のみの移転となったことが要因。消防署は災害時の拠点機能もあることから、早急な対策が求められるものの、市議会の6月通常会議で有力な候補地を提示できるかは不透明だ。

 中消防署が入る市役所別館は昭和46年建築。平成16年度の調査で、震度6強の地震で倒壊または崩壊する危険のあることが分かった。

 市は別館の整備計画を検討することになり平成16年度、検討委員会で議論をスタート。26年度、現庁舎に隣接する国有地を移転も視野に庁舎関連用地として取得した。

 だが、想定外の事態が起こる。28年3月に国有地が「土砂災害警戒区域」に指定されたことから、計画は頓挫。現在まで別館の新たな整備計画は定まっていない。ただ、防災拠点としての重要性などから、中消防署のみは早期移転を目指すことになった。

 広い道路に隣接するなどの条件がある消防署の移転候補地選定は難航。昨年12月に4カ所6案の候補地が市議会の委員会に示された。候補地は、近畿財務局の別所合同宿舎(同市御陵町)▽皇子山総合運動公園内の国体記念広場か多目的広場(同)▽大津市伝統芸能会館駐車場(同市園城寺町)▽別館建て替え、または市役所業務用駐車場-の約1千~5千平方メートル。

 ただ、いずれも実現させるのは困難な土地ばかりだ。

 大津市の防災マップによると、別所合同宿舎は災害時に0・5メートル以下の浸水が予想される。また、近畿財務局によると、現在、そもそも売却を検討していないという。

 総合運動公園の多目的広場は財務省から市が無償で借り受けており、購入するなどの必要がある。国体記念広場は車道に十分面していない。伝統芸能会館駐車場にいたっては、市道路・河川管理課によると、集中豪雨などの際、一時的に雨水などをためる「調整池」に指定されている。付近に調整池となる別の敷地を確保できない限り、不可能だ。

 昨年12月、議会にこれらの案が提示されると、議員からは疑問を呈する声があがった。今年3月の市議会総務常任委員会でも、市消防局は同じ6案を提示。しかも、各案に関しデメリットを中心に記した資料を配布するという「本気度が疑われる」(市議)対応となった。

 市消防局は「現在検討、検証を行っている中で、具体的な決定時期のめどはない」と説明。市議からは「予算をつけて外部のコンサルに委託するなどしっかり調査すべきだ」や「ここだという場所を決めてほしい」などの声があがった。

 6月通常会議で新たな案を提示できるかが焦点だが、見通しは厳しい。1つには「そもそも候補地がない」事情があるという。

 中消防署は、市中心部の中央学区や京都市山科区との境に近い藤尾学区など7学区を管轄する。そのうち、浸水が予想される琵琶湖岸付近は移転先として対象外。そのほかはすでに住宅地だったり、山間部だったりして「適当な土地はなかなか見つからない。かといって管轄地域外に移転するわけにもいかない」(市関係者)という。

 市庁舎の別館整備計画がが事実上棚上げになっているなか、中消防署の移転も先行きが見えない状況が続きそうだ。

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