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高まる期待、広がる活躍の場 広島市消防団の安芸区・女性隊、新たに学生2人入隊

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高まる期待、広がる活躍の場 広島市消防団の安芸区・女性隊、新たに学生2人入隊

 市民でつくる広島市消防団の安芸区の女性隊に今春、新たに学生2人が入隊した。4年前の広島土砂災害などを機に、消防団で女性が活躍できる場は広がっているが、市消防団全体に占める女性の割合は近年、わずか5~6%にとどまる。各消防団に平成8年、本格配置された女性隊員の高齢化も進む中、機敏な動きで訓練に励む新規入隊員の姿に、ベテラン隊員たちも大きな期待を寄せる。

 入隊したのは、市立看護専門学校に今春入学したばかりの高松もえさん(18)と、友人の広島国際大学看護学部2年、小松千華さん。

 もえさんは4月初旬、区内のグラウンドで、消防ポンプ操法の訓練に初挑戦。指導員が見守る中、小柄な体で勢いよく放水するなど機敏な動きをみせた。

 顔に水しぶきがかかり濡れると、先輩隊員が優しく拭いてくれた。

 もえさんは、看護師の母、まさえさん(52)が3年前、団員募集のポスターを見て先に入隊しており、楽しそうに訓練に行く姿を間近にみていた。入隊資格のある18歳を迎える誕生日直前にまさえさんに誘われ、迷わず「いいよ」と即答した。

 千華さんは、高松さん親子とは幼い頃から家族ぐるみの付き合いで、もえさんを「妹みたいな存在」とかわいがる。大学では医療を学び、救命の授業を受けて医療と消防の連携などに興味を抱いていた。もえさんから「消防団に入れば一次救命処置の指導者資格を取得できる」と聞いて、入団を決意した。

 こうした新規入隊を女性隊も歓迎。活動歴22年のベテラン隊長、沖田恵子さん(61)は「女性の活躍の場は増え、期待も高まっています」と話す。

 77人が死亡した平成26年8月の広島土砂災害では、発生直後から市消防団が救助活動などに従事。安芸区の女性隊も現場に入り、支援物資の仕分けや段ボールベッドの製作、避難所の掃除、衛生管理などを担当した。

 ベテランの沖田さんも、異例の大規模災害に戸惑ったが、避難者に「心強い」「ありがとう」などと感謝され、それを励みに活動を続けることができた。

 市消防局消防団室は「大規模災害時などは単なる力仕事だけでなく、女性ならではの細やかな対応も必要。若い世代も含めて女性を増やしていきたい思いはある」と話す。

 沖田さんも「私たちの引退も遠くない。これからの時代の女性隊として後輩隊員には期待しています」とエールを送る。

 こうした激励に、もえさんは「活動を通して地域の人と交流し、楽しんで貢献したい」、千華さんは「消防団は、社会を考えたり貢献したりできる良い機会になる」と決意を新たにしていた。