PR

地方 地方

【ZOOM東北】青森発 農林水産物の輸送サービス「A!Premium」好調

Messenger

 ■大阪に分室、西日本を開拓

 青森県と宅配事業大手のヤマト運輸が進めている県産農林水産物の輸送サービス「A!Premium」が好調だ。平成29年度の取扱個数は、前年度に比べ約1・4倍に増加。県港湾空港課が28年4月から「大阪分室」を設置、きめ細かな営業によって西日本(中部以西)で利用実績を伸ばしていることが背景にある。県産品のより一層の販路拡大に向け、官民一体となった取り組みが注目される。(福田徳行)

                   ◇

 県は三方を海に囲まれ、年間を通して豊富な魚種が水揚げされるが、大消費地から距離があるため、流通が課題の一つだった。このため、物流面から農林水産品の販路拡大を支援しようと、県が27年4月から同社と連携し、全国で初めて同サービスを始めた。

 国内向けは青森市に荷物を集約し、仙台空港まで陸送、同空港から大阪・伊丹空港まで空輸する。海外は伊丹空港-関西空港-那覇空港を経由して東南アジアに運ばれる仕組みだ。

 同課によると、年間取扱個数は鮮魚、貝類などの生鮮品がほとんどを占め、初年度の27年度は3532個、2年目は4355個と順調に推移。3年目の昨年度の利用実績は、国内向けは前年度比約1・8倍の2876個、海外向けは同1・2倍の3414個の計6290個と大幅に増えた。国内は中部以西が全体の44・3%を占め、海外は香港が半数以上の52・9%となっている。昨年度の取引実績は、金額ベースで国内が5100万円、海外が6400万円と順調に伸びている。

 また、昨年2月から週2便運行している、むつ市で集荷する「下北サービス」の鮮魚ボックスが国内の飲食店から好評で、出荷実績を押し上げた。

 利用実績が好調に推移している背景について、同課は同分室の取り組みが大きいと分析。同分室では飲食店をターゲットに県産品の売り込みを精力的に展開しているほか、県産品の取引に関心を示す店が県内を訪れ、事業者と個別に商談を行う事例が増加している。昨年度は延べ38社(前年度24社)が訪れ、延べ206社(同173社)の県内事業者と個別商談を実施した。同課の平田昌樹課長は「大阪分室は中部以西のほか海外も担当しており、飲食店との着実な取引につなげていることが功を奏している」と話す。

 同サービスの好調な動きは他の輸送手段にも波及効果をもたらしている。同サービスを契機にした取引で、昨年度は西日本向けに5532個の荷物が運ばれるなど、県産品の取引が急速に拡大している。平田課長は「今後もA!Premiumと同じぐらいの規模で取引が増える可能性もある」と期待を寄せる。

 こうした中、荷物を持ち込む時間に制約があるため、県内のサプライヤー(利用契約者)の利便性向上や、マーケット側からは鮮魚だけでなく、水産品の1次加工の要望もあるという。さらに、海外向けは現状、大半を占める香港でも特定の企業との取引に限られているため、マーケット開拓も課題の一つ。県は4月から同分室に職員を1人増員し、同社社員と合わせて3人体制で国内外での営業を強化しており、平田課長は「西日本を中心にしながら、海外も含めたマーケットの掘り起こしを一層促進していく」と話す。

 県は従来から「攻めの農林水産業」を県政の重要施策の一つに掲げ、県産品を積極的にPRしている。こうした地道な取り組みの下地があって、同サービスが好調に推移していると言える。「この部分は他県にない青森県の強み」。同課の担当者は誇らしげに語った。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ