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父がライオン、母はクマ…多種多様な家族描く 名張出身のイラストレーター西村さん、初のオリジナル絵本出版

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父がライオン、母はクマ…多種多様な家族描く 名張出身のイラストレーター西村さん、初のオリジナル絵本出版

 名張市出身でドイツ・ミュンヘン在住のイラストレーター、西村ももさん(37)の初となるオリジナル絵本「くまのこライオン プース」(小学館、税抜き1300円)が出版された。ドイツで「多種多様な家族のかたち」に触れた経験をもとに創作した作品。「日本とドイツ、両国で受け入れられる絵本を作っていきたい」と意気込んでいる。

 絵本の主人公「プース」は、父親がライオンで母親はクマ。平成26年に同社の絵本作品のコンテスト「おひさま」で、種族を超えた家族というユニークな観点が評価され大賞を受賞した。その後、出版の提案があり、8ページだった作品を32ページにまで加筆。昨年10月に刊行された。

 西村さんは名張高校生活デザイン科を卒業後、大阪の大学で児童文学を学んだ。転機は学生時代の一人旅だった。ドイツにある国際児童図書館を訪れ「ここで働いてみたい」と思った。

 卒業後、同図書館にボランティアで働きたいと手紙を送ったところ、許可が出たため海を渡ることを決めた。当時、25歳。言葉もまったく分からない状態で、語学学校に通う必要があったほどだったという。

 しかし、今ではドイツ語で現地の子供たちに読み聞かせをすることもできるようになり、イラストレーター兼絵本作家としても活動している。本の読み聞かせ以外にも紙芝居も人気なのだとか。

 こうしたドイツでの生活で「日本よりも多種多様な家族の形があることをより強く実感した」という西村さん。今回の絵本には「多様性の中で共存していくことは難しくない」という思いを込めた。地元名張の友人からは「子供が毎晩読んでほしがる」との声が寄せられているという。

 いずれ日本に帰ってきたいというが、当面は異国で感性を磨きながら創作活動を続ける予定だ。