産経ニュース

【信州人】台湾のウルトラマラソンで優勝 売木村の公務員ランナー・重見高好さん

地方 地方

記事詳細

更新

【信州人】
台湾のウルトラマラソンで優勝 売木村の公務員ランナー・重見高好さん

 ■声援を力に村を背負って走る

 13~15日にかけて、台湾で行われたウルトラマラソン「台中横断山岳レース」に出場し、優勝しました。走行距離は、フルマラソン(42・195キロ)の6倍弱にもなる246キロです。

 距離もさることながら、台湾中部に設けられたコースは、海抜0メートルから標高3275メートルまで駆け上がり、再び下る過酷なもの。30時間1分45秒のタイムは、大会記録を2時間縮めました。

 愛知県岡崎市出身で、平成24年に地域おこし協力隊員として売木村に来ました。現在は役場に勤めているので、限られた時間の中でトレーニングをしています。

 常に山と向き合う毎日は充実感に満ちています。冬には道が凍結し厳しい練習環境になります。それでも、地形に合わせた走り方を選んで練習している。

 山岳レースの勝因は、普段の練習を生かし、イメージ通りに山と対話ができたことです。午後8時のスタートで夜を2回越えるんですが、普段は午後10時には寝ているので、襲ってくる睡魔との戦いに勝てたのも大きかった。

 参加した96人のうち、完走したのは34人。日中は30度近い気温になる一方、夜間は1桁の温度となります。ゴールしたときは雨でした。どの選手も低体温症で体が冷え切り、瀕死(ひんし)の状態です。

 走っているときは苦痛でしかないけれど、完走した瞬間は、何ものにも替え難い思いがわき起こります。中学から陸上競技をやってきて、今は35歳。仕事をしながらスタート地点に立てることもうれしい。

 「うるぎ村」と書いたユニホームでウルトラマラソンに挑戦し続けることは、村を背負って走ることだと思っています。

 それだから私生活でも「後ろ指を指されないように」との自覚を持って暮らしています。仕事では至らないところがありますが、周りの同僚に支えられている。そうした人と人との「結いの精神」が走る力に変わる。

 直近の目標としては、ヨーロッパアルプス最高峰のモンブラン(標高4810メートル)を駆け上るウルトラマラソンに出場し、上位に食い込むことです。

 そのレースに出るからといって、公務をおろそかにはできません。走ることを通じて村を盛り上げ、仕事もできるのは本当に幸せです。(太田浩信)