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【みちのく会社訪問】豊国酒造(福島県古殿町) 純米酒「超」が杜氏鑑評会「首席」に

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 福島県古殿町の「豊国(とよくに)酒造」の創業は天保年間(1830~44年)。約180年間、日本酒「東(あづま)豊国」などを造り続ける。地元では“酒といえば東豊国”といわれ、親しまれてきた酒蔵だ。

 平成19年から9年連続で、全国新酒鑑評会で「金賞」を受賞するなど、酒造りは以前から高く評価されてきた。今年4月、さらに一つ“勲章”が増えた。東北屈指の杜氏(とうじ)組合「南部杜氏協会」が主催する鑑評会の「純米酒の部」で、約30年造り続けてきた「超(ちょう)」が、1位に当たる「首席」に輝いた。過去に「吟醸酒の部」で受賞歴はあるが、純米酒では初めて。醸造責任者で専務の矢内賢征さん(32)は、感慨もひとしおだ。

 「酒造りを教わった先代杜氏は『吟醸酒』で首席を獲った。今回は自分の酒が受賞した。部門は違うが、先代に少し近づけたと思う。大きな喜びです」

 豊国酒造は矢内さんの生家。大学卒業後、蔵人として酒造りの道を歩み始めた。県の研修機関で半年間、酒造を学んだ後の22年秋、9代目の蔵元になり、東日本大震災直前の23年1月、新銘柄「一歩己(いぶき)」を世に送り出した。すでに10を超す都道府県に販路は広がり、さらに拡大をうかがう。

 だが、「東豊国」や「超」は、地元販売にこだわり、見直す考えはない。「もともと地元で愛された酒。外へ出すと価値が薄れる」と矢内さんは言い切る。豊国酒造の酒は、それぞれの場所で光っている。(内田優作)

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◆企業データ

 本社・酒蔵は、福島県古殿町竹貫114。資本金800万円。従業員11人。直売店を併設しているが、通信販売はしない。(電)0247・53・2001。ホームページは、http//azuma-toyokuni.com/

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◆矢内賢征専務(32) 農家と連携、付加価値高める

 --日本酒離れが指摘され久しい

 「特に若者には日本酒のイメージがないのでは。(会社の)ホームページをリニューアルし、映像や写真を豊富に入れることでバックグラウンドを知ってもらえるようにした。若い世代が酒造りに携わっていることをアピールして、受け入れやすいイメージにしたい」

 --若い蔵元は珍しいのでは

 「県内は若い蔵元は多い。お互いに同世代として情報共有して切磋琢磨(せっさたくま)している」

 --蔵元を志したのはいつごろか

 「きょうだいで男は自分だけ。漠然と蔵を継ぐものと思っていて、働き始めた。最初は蔵を継ぐ考えがあっても、酒造りをするということは具体的にイメージできなかった」

 --そんな中で「一歩己」を造ったきっかけは

 「研修で学んだことを生かしたい、と思った。酒造りを始めたころは、特に思い入れはなかったが、酒造りを進めるに従い、責任感がわき、酒蔵を継ぐ強い決意が芽生えた。『一歩己』の名には『己の酒造りの一歩を進める』という意味を込めた」

 --今後の展開は

 「酒造りには地元の米や水を使っている。酒造りの中で、米は農家と酒蔵のバトン。連携することが大切だ。それぞれの顔が見えるようにして付加価値を高め、日本酒のブランディングを図っていきたい」

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