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近江八幡市新庁舎の「契約解除」 初登庁の小西市長、事業者に通告

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 新庁舎建設工事の中止を掲げて近江八幡市長に初当選した小西理氏(59)が25日就任し、「工事契約の解除を通告した」と発表した。同日、市役所を訪れた工事業者に伝えた。小西市長によると、工事は26日に中止され、今後、業者への損害賠償金の支払いなどの手続きを行うとしている。今年1月末に着工した新庁舎建設工事はストップする方向となった。

 小西市長は午前8時20分ごろ初登庁。その後、工事を請け負う奥村組(大阪市阿倍野区)の滋賀営業所長らに「民意による政策変更。申し訳ないが工事を中止させてほしい」と述べ、契約書の「発注者は必要があるときは、この契約を解除することができる」との規定に基づき、契約解除を通告したという。

 小西市長はその後の記者会見で、26日で工事は中止し、5月中旬をめどに重機などの資機材を撤去する▽弁護士などでつくる第三者委員会を設置し、業者側提示の損害賠償金の妥当性を審議-などと説明。現庁舎は老朽化が課題となっているが、耐震補強工事を施して対応。その後、現在の庁舎計画に代わる新たな庁舎整備計画を策定する。

 着工は「工事費が下がる」として、2020年東京五輪以降を目指すとしている。「巨大庁舎でなく、最低限のオフィス機能をもった小さな庁舎を市民の意見を取り入れながら計画したい」などと話した。

 一方、小西市長は契約は解除されたとの認識を示したが、奥村組の担当者は「契約が解除となったかどうかも含めて協議中。コメントできない」としている。小西市長は選挙戦で「約90億円の高額な庁舎建設の見直し」を掲げ、初当選した。

                   ◇

 ■着工3カ月の取りやめ 安全対策は、予算は、賠償金は…混乱続く

 11年間の議論を経た庁舎建設工事。着工から約3カ月後に契約を解除するという事態に、関係者に当惑も広がる。すでに着手された工事の「後処理」、今後業者に支払う損害賠償金や暫定的に行うとしている耐震工事の予算処理など、課題は山積。市長選の争点となった庁舎問題だが、今後も当面、庁舎をめぐる混乱は続きそうだ。

 課題の一つは、約3カ月で進んだ工事部分の処理。工事は現庁舎の敷地内で進められ、多くの重機が並ぶ。市庁舎整備推進室によると、地盤には深さ29メートルでL字型の溝が掘られており、鉄筋も打ち込まれている段階にあるという。

 小西市長は「ゴールデンウイーク明けごろに重機を撤収する流れ」としたが、溝の処置など何らかの安全対策が必要とみられる。同推進室は「業者には安全対策をしてから撤収してもらいたいが、現状は何も決まっていない。早急に協議を進めたい」と話した。

 また、新庁舎建設の見送りで、耐震基準を満たさない現庁舎の耐震補強も求められる。小西市長は「過去の調査では1億円台で可能」としているが、同推進室は「調査結果を把握しておらず分からない」としており、先行きは不透明だ。

 そして、最大の課題は予算面。庁舎には平成30~32年度の3年で約90億円を投じる計画で、30年度は23億2千万円を計上。奥村組には、前金として4億円支払っている。これまでに国、県から補助金も受けており、今後返還も迫られそうだ。

 業者への損害賠償も控える。小西市長は選挙戦で損害賠償金を「10億円程度」としていたが、25日「交渉の責任者となった今、軽々といえない」と言及を避けた。

 工事の中止などに伴う補正予算案の編成も想定される。新庁舎建設に賛成した議員が議会で多数を占めるなか、反発も予想される。

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