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悲しみに寄り添い続ける 熊本地震で活動の看護師、災害時の遺族ケアの必要性訴え

京都第一赤十字病院の看護師、河野智子氏
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 平成28年4月の熊本地震では、全国各地から医療関係者が支援に訪れた。災害現場での遺族支援を行う一般社団法人「日本DMORT」に所属する京都第一赤十字病院(京都市)の看護師、河野智子氏(53)は、現地での活動を振り返り「遺族の悲しみに寄り添い続ける活動は、災害現場に必要だと確信した」と語った。

 「こんな顔じゃない。もっと男前なんだ」。遺体安置所で、大学生の息子を亡くした父親は、変わり果てた姿に叫んだ。河野氏は崩れ落ちる両親に付き添い、手を握り、ともに涙を流した。遺体の顔にメークして、少しでも生前の姿に近づけようとした。

 「慰めようと思って発した言葉が、遺族を傷つける可能性がある。大切なのはともに悲しみ、寄り添うこと」。阪神大震災でボランティアとして活動した経験もある。19年ごろにDMORTの活動を知り、訓練に参加するようになった。遺体と対面した家族を想定したロールプレー訓練が、熊本で頭をよぎった。「訓練やマニュアルが、現場で生きた」

 河野氏にも30歳の一人娘がいる。「子を亡くす親の気持ちを思うと、胸が締め付けられた」。熊本で聞いた父親の叫びは京都に戻ってからも耳から離れず、テレビで大学生の生前の写真が出ると、涙が自然とあふれた。

 気持ちの整理をつけようと、後日再び熊本を訪れ、大学生が亡くなった現場に献花し、手を合わせた。

 現在、警察官や医療関係者を対象とした研修会で自身の経験を話し、DMORTの活動の必要性を訴えている。「大切な人を突然失う悲しみに寄り添う難しさを痛感した。正解はないかもしれないが、次にもし災害が起きても、自分にできる精いっぱいをするつもりです」と語った。

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