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糸いらずのニードルパンチミシンに脚光 奈良市の企業「世界に広めたい」

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 特殊な針で繊維を絡めることにより、糸を使わずに複数の生地を貼り合わせる技法「ニードルパンチ」を用いたミシンを奈良市の企業が生み出し、脚光を浴びている。「タナカアンドカンパニーリミテッド」(同市学園北)。海外のアパレル会社やデザイナーからも発注が相次いでおり、田中茂樹社長(53)は「誰もが簡単に斬新なものを生み出せるミシン。世界中に広めていきたい」と意気込んでいる。

 マンション一室にある同社事務所。スタッフがミシンのリズミカルな音を響かせながら、別々の生地に針を通していく。すると、デニム生地にチェック柄の模様がうっすらと浮かび上がった。

 ニードルパンチミシンの針は用途に応じ、7本仕様▽12本仕様▽36本仕様-の3種類があり、それぞれに小さな突起物のような「返し」が付いている。生地を重ねた状態で繰り返し針を通すと、互いの繊維が絡み合って貼り合わせられるという仕組みだ。

 通常の縫い物よりも強度は劣るが、糸がいらず、それゆえ小さな針穴に糸を通す面倒な作業も不要。さまざまな素材を掛け合わせることで、縫い物では表現できないデザインも可能になった。ドレス用の薄い生地にも応用できるといい、手軽に始められるのもメリットだ。

 田中社長はファッション好きが高じ、昭和63年にミシンメーカーに就職。設計や修理に関する技術を学んだり、さまざまな機械メーカーの展示会に参加したりする中、ニードルパンチという技法を知った。カーペット作りでは一般的な技法だったが、「服にも応用できないか」と考え、一念発起して8年勤めたメーカーを退職。平成8年、ミシン製造に携わっていた父、修さん=享年(73)=と一緒に現在の会社を設立した。

 試行錯誤を経て、それから約7年後にニードルパンチミシンが完成。海外からも注目を集め、19年に特許を取得した後は欧州のアパレルメーカーや国内の芸術系大学、さらには一般家庭にも販路を拡大した。現在は海外の工場でミシンを生産し、家庭用は1台約6~11万円で販売している。

 目下の課題は知名度の低さ。田中社長はミシンの普及に駆け回る一方で、体験教室を事務所や大阪府内で月に2回程度開き、作品の魅力を伝えている。

 田中社長は「ニードルパンチミシンを使い、デザインの幅が広がる楽しさを知ってもらいたい。地元の奈良に根づかせながら、いずれは世界中の人を笑顔にできれば」と話している。

 体験教室などの問い合わせは同社(電)0742・47・0832。

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