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【九州豪雨】被災自治体の残業急増 手当支給が重荷に… 復旧事業にしわ寄せも

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 平成29年7月の九州北部豪雨で被災した自治体で、緊急対応や応急復旧に当たった職員の残業が急増し、自治体側にとって手当支給が重荷になっている。豪雨から9カ月。今後、本格化する復旧事業にしわ寄せが及びかねず、国の財政支援を求める声が上がる。

 「1カ月近く、ほぼ毎日午前4時ごろまで働いた職員もいた」

 今年1月、福岡県朝倉市の森田俊介市長(65)=当時=が、県内の首長が集まった防災セミナーで講演し、実情を訴えた。

 発生当初の昨年7月の時間外勤務は、一般職員の約4割に当たる178人が「過労死」認定の目安となる月100時間を超えた。農地復旧に追われた担当部署は昨年12月まで半年間にわたり、部署平均が月100時間超となった。

 市が支給した時間外勤務手当は昨年7月から今年2月までで約2億8千万円。昨年度当初予算で見込んだ分の2・5倍に膨れ上がった。市の担当者は「高止まりが続けば、今後の復旧事業の一部延期など影響が出る可能性がある」と懸念する。同様に被災した福岡県東峰村は3・2倍、大分県日田市は3割増という。

 総務省によると、他の自治体から被災地へ派遣される応援職員は、国から人件費が穴埋めされる。だが、被災自治体側の職員の時間外勤務手当を対象とした補助制度はない。担当者は「どこまでが災害対応の残業なのか線引きが曖昧で、認定が難しい」と説明した。

 東日本大震災の被災地・岩手県大船渡市は、発生した平成23年3月の時間外勤務について、手当ではなく、休日取得に振り替えて対応した。市は「職員の健康維持が目的だったが、結果として支出削減につながった」としている。

 被災自治体の取り組みが、逆に復旧の足かせになりかねない構図で、静岡大防災総合センターの牛山素行教授(災害情報学)は「手当増加に対処できるように国が支援策を検討する必要がある」と指摘した。

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