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湯河原放火殺人から3年 「情報を」我慢の捜査

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 ■防犯カメラの不審人物、電車内で着替え?

 湯河原町宮下の住宅で平成27年4月、火事の焼け跡から額に包丁が刺さった無職、平井美江さん=当時(66)=の遺体が見つかった事件から21日で3年が経過。県警小田原署捜査本部は現場周辺や駅の防犯カメラに写っていた不審な人物が事件に関与していたとみており、重要参考人として行方を追っている。一方、捜査本部は画像処理を外した防犯カメラ映像を新たに公開。「少しでも情報がほしい」と、我慢の捜査が続く。 

 ◆額に包丁が…

 「事件のせいで、今も誰かが訪れてくる度に『怪しい人なんじゃないか』と不安になる」。事件現場近くに住む60代の女性は、そう声を震わせた。

 事件は27年4月21日午前6時ごろ、平井さん方から出火したことで露見した。木造平屋建て住宅を焼き、焼け跡の寝室部分から額に包丁が刺さった平井さんの遺体が発見された。

 司法解剖などの結果、平井さんの死亡推定時刻は出火前の午前5時ごろと断定。平井さんの頭部や顔からは十数カ所の刺し傷や切り傷が確認されたほか、顔には鈍器のようなもので殴られた痕があった。

 居間からは油の反応もあり、県警は殺人と非現住建造物等放火事件と断定。小田原署に捜査本部を設置した。

 また、出火の約6時間前には、平井さん宅から約350メートル離れた集合住宅に、平井さんの事件と同一とみられる人物が侵入。住人の男性会社員を鉄パイプで襲う傷害事件が発生していた。

 この男性が異変に気付いたのは帰宅前のことだった。家の近くの電柱の陰にたたずむ人物を発見。「怪しいな」と思いながら帰宅すると、直後に無施錠のドアから入ってきたのは、まさにその人物だった。

 ◆「あんたを殺す」

 「男の声」(男性の証言)で「あんたを殺す」「俺はガキの頃からシャブ(覚醒剤)を打ってきた」などと男性に語りかけてきたという。その後、男性と取っ組み合いになり、男性は後頭部を殴られるなどしてけがを負った。手袋の代わりに靴下を手にはめているなど異様な様子だったといい、捜査本部はこの人物が平井さんの事件にも関与しているとみている。

 鍵となるのは逃走した人物の足取りだ。

 捜査関係者によると、事件前後、平井さん宅周辺の防犯カメラやJR湯河原駅構内のカメラに不審な様子の人物が写っていた。身長170センチぐらいのやせ形で、黒っぽい上着と長ズボン、マスクを着用していたという。

 ◆子供料金で乗車

 この人物は子供料金で切符を購入。東京方面に向かう電車に乗車したとみられるが、降車予定の駅のカメラからは同一の服装の人物が確認されなかった。電車内で服を着替えた可能性があり、重要参考人として捜査本部は引き続き行方を追っている。

 一方、捜査本部は20日、事件発生から3年が経過するのを前に、捜査員らが事件発生時間帯の午前4時半ごろからJR湯河原駅前などで情報提供を求めるチラシ約8千枚を配布。「少しでも心当たりがあれば情報提供をお願いしたい」と協力を呼びかけた。チラシを受け取った同町に住む高校1年の女子生徒(15)は「時間が経過して事件のことを忘れつつあった。早く解決してほしい」と話した。

 捜査本部によると、これまでに延べ約1万8千人の捜査員を投入。現場周辺の延べ約7800世帯に聞き込み捜査を行ったほか、関係者ら延べ約1900人から話を聴くなどし、計153カ所の防犯カメラの解析を行った。

 静かな町で突如、発生した凶悪事件。現場近くに住む70代の男性は「この3年間、不安な思いをしてきた。事件の捜査が進展してほしい」と話す。ある捜査関係者は「『必ず逮捕する』という思いを持って捜査している。尽くせる限りの手を尽くす」としている。

 事件に関する情報提供は、捜査本部((電)0465・32・0110)。

(河野光汰、王美慧)

                   ◇

【用語解説】湯河原町

 県南西部に位置し、箱根町や静岡県熱海市と隣接する地方自治体。湯河原温泉に代表される温泉街として観光業で古くから栄え、文豪・夏目漱石や芥川龍之介らが執筆活動などのために滞在した。町によると、人口は約2万4000人(4月1日現在)。総務省によると、県内で最も65歳以上の比率が高い自治体(平成28年1月現在)。町役場は人口減少を懸念してプロモーション動画を作成するなど、町への移住を呼びかけている。

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