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熊本地震の教訓、風化させない 鹿児島「砂の祭典」に熊本城

昨年の「砂の祭典」で展示された熊本城の砂像
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 鹿児島県南さつま市で5月3日に始まる「吹上浜(ふきあげはま)砂の祭典」に、熊本地震で被災した熊本城の雄姿が登場する。主催団体の依頼を受けた崇城大(熊本市西区、中山峰男学長)の芸術学部彫刻コースの学生が、高さ約2・4メートルの城の砂像制作に挑む。祭典の実行委員会会長を務める本坊輝雄南さつま市長は「地震の教訓を風化させず、熊本にエールを送り続けたい」と語った。(谷田智恒)

 砂の祭典は、日本三大砂丘の1つとされる吹上浜の砂を活用し、芸術家や市民らが砂像を作り、展示するイベントだ。毎年10万人を上回る来場者がある。今年は31回目で、明治維新150周年と恐竜とをテーマに「西郷どん砂像」といった約100基を公開する。

 熊本城の砂像は昨年初めて登場した。主催団体を構成する南さつま市が一連の地震からの復旧・復興を応援しようと、崇城大に相談したのがきっかけだった。

 同大芸術学部美術学科彫刻コースの楠元香代子教授が、大学院生と学生ら4人と作り上げた。楠元氏は「復興支援へのありがたい申し出で、被災地の大学として、喜んで参加した。これまで石の彫刻を作る機会はあったが、砂像は初めて。苦労しました」と振り返る。

 砂像作りではまず、木枠を組む。その内側を砂で固めた後、学生らが木枠に乗り、砂を少しずつ削る。最上部ができあがると、木枠を一段ずつ外し、下に向かう。

 「一度削ると後から砂を付け加えたりはできない、まさに一発勝負の世界で、かなり神経を使った。城の特徴である武者返しの石垣にはこだわり、納得できるまで手を入れ続けました」

 同大の卒業生で彫刻家、東耕平氏(34)はこう語った。

 今回は、祭典のテーマに沿い、熊本県御船町でサメの歯のような化石が見つかった肉食恐竜の「ミフネリュウ」や、県のPRキャラクター、くまモンも制作する。芸術研究科の大学院生、安森大樹氏(24)は「被災前の熊本城の雄姿を皆さんに思い返してもらえるような作品に仕上げたい」と意気込む。

 南さつま市長の本坊氏は「熊本城は鹿児島の児童・生徒らにとっては、修学旅行で訪れる、思い出になる地。この先の復旧には20年はかかるというが、城が元の姿に戻るまでは砂の祭典の会場で砂像を作り続け、復興への思いを共有できる場にしたい」と話す。

 祭典は5月3~27日まで「砂丘の杜きんぽう」内の特設会場で開かれる。会場では熊本地震復興への義援金も募る。

 入場料は5月3~6日は大人1千円、小・中学生500円。同月8~27日は大人500円、小・中学生300円。問い合わせは同祭典実行委員会(電)0993・53・2111。

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