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熊本地震2年 仮設から阿蘇の魅力を発信

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熊本地震2年 仮設から阿蘇の魅力を発信

熊本地震で大きく崩れたままの道路を見る川野まみさん=10日、熊本県西原村 熊本地震で大きく崩れたままの道路を見る川野まみさん=10日、熊本県西原村

 □ネットに「阿蘇西原新聞」立ち上げた川野まみさん(40)

 熊本地震で熊本県西原村の自宅を失った川野まみさん(40)が、インターネット上に「阿蘇西原新聞」を立ち上げ、大きな被害が出た阿蘇地域の魅力を発信している。乳児を抱えて避難した際、助けてくれた地域への「恩返し」が原動力だという。3人の子育てをしながら、熊本市のみなし仮設住宅から車で往復3時間かけ、取材現場を駆け回る。

 川野さんは人が好きで、地元タウン誌で働いたこともある。阿蘇西原新聞は昨年12月に始めた。ネット上には「黒川温泉街の店主がスゴ過ぎる!」「本当は秘密にしておきたいカフェ」といった、思わずクリックして読みたくなる見出しが写真と一緒に並ぶ。

 一連の地震の影響で「行き止まり」の看板が目印となっている菓子店を紹介した記事では「安心してください!通販ありますからっ!」と締めくくるなど、ユーモアを交えた軽妙なトーンで、手軽に読める。

 「被災した人たちは、同情よりも応援がほしい」と、人々が元気に頑張る姿を読者に届け、自らが被災した体験に基づき、災害時に役立つ情報も発信する。

 自然を求め、熊本地震の2年ほど前に自宅を西原村に建てたが、半壊した。生後まだ3カ月だった次男を抱え、避難所で暮らした。地域住民の温かい炊き出しが、ありがたかった。

 自宅のある住宅地への唯一の道路も損壊した。私道で、行政の復旧支援が来るまでが遠かった。フェイスブックで窮状を訴えた。住民らで協力し合い、県を動かした。発信の重要性を実感した。

 地震を通して知り合った東京のウェブマガジン編集長の勧めもあり、自らも発信を始めた。

 「ピンチはチャンス」をモットーに、「街の人たちの魅力を引き出し、阿蘇に行こうと思ってもらえるようなメディアを作っていきたい」と張り切っている。