産経ニュース

製造業の広域連携後押し 熊本県、被災時の混乱最小限に

地方 地方

記事詳細

更新


製造業の広域連携後押し 熊本県、被災時の混乱最小限に

 熊本県は熊本地震を教訓に、大災害で生産拠点が被災しても、自動車など主要産業のサプライチェーン(部品の調達・供給網)の混乱を最小限に抑えるよう、県内製造業の広域連携の構築に乗り出す。自社で複数拠点を持ちにくい中小企業が対象で、離れた地域の企業と協力関係を結び、災害時に互いに生産や部品供給をカバーできるよう後押しする。早ければ本年度内に運用を始める。

 熊本県によると、県内には中小を含め、2千社超の製造業者が立地する。自動車や半導体分野などの関連企業も多く、熊本地震では部品工場が被災してサプライチェーンが寸断、トヨタ自動車や三菱自動車など各社が一時生産停止に追い込まれた。

 こうした事態を受け、県は災害に備えた広域連携が必要と判断した。資金や人材に乏しい中小企業を対象にした事業継続計画(BCP)策定支援の一環で具体化を進める。

 県のイメージでは、県内の中小企業に設備や生産可能な製品などを登録してもらいホームページで公表し、他の都道府県にPR。災害時に生産施設などを融通しあえるよう遠隔地の企業との協力態勢づくりを支援することを想定している。

 平成25年度から災害時の業務を代替できる企業をマッチングしている岡山県産業振興財団(岡山市)では、自動車部品のプレス加工を手がける岡山県内の企業が、新潟県の業者と災害時の協定を結ぶといった成果も出ているという。

 熊本県は、こうした先行事例を参考にしながら、県商工会連合会や工業連合会などと仕組みの具体化を図る。県商工政策課の担当者は「工場が被災して部品を供給できなくなると大口顧客を失う恐れもある。困ったときはお互いさまの気持ちで、企業間協力を後押ししたい」と話した。