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廃校舎の企業利用拡大 筑豊ではデジタル交流施設に

交流・宿泊施設に改装した旧猪位金小学校の前に立つ大井忠賢氏
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 廃校になった小・中学校を、企業が事業拠点として利用するケースが増えている。広い校舎と敷地が格安で借りられ、建物の改装だけで済む初期投資の安さが魅力だ。福岡県の筑豊地区では交流・宿泊施設や煎餅工場に生まれ変わった。地域活性化の拠点としての期待も高まる。

 福岡県田川市の旧猪位金小は平成29年4月、音楽の演奏や制作ができる交流・宿泊施設「いいかねPalette(パレット)」となった。2階建ての校舎は延べ床面積が約2700平方メートル。音楽と映像を加工、編集するデジタル機材を備え、映画やアニメも制作できる。芝生を敷いた中庭は無料開放し、地域の子供の遊び場になっている。

 地元の高校を卒業した大井忠賢氏(36)らが設立した会社「BOOK」が、市から無料で借り受け、地方創生関係の交付金6500万円を使って改装した。大井氏は、九州一円から若者が集まる「コンテンツ産業の拠点にしたい」と夢を語った。

 廃校利用といえば、食品卸・辛子明太子製造販売の山口油屋福太郎(福岡市南区)が、積極的に取り組む。

 旧福岡県立田川商業高校(添田町)や、北海道小清水町の廃校に工場を造り、人気煎餅「めんべい」などを生産している。

 このほか徳島県三好市のカフェ兼宿泊施設、熊本県菊池市の酒蔵といった事例が全国各地にある。

 廃校利用には、老朽化した施設の不具合などの課題もある。賃料は安くても、借り手の負担で使える状態にする必要がある物件も多いという。

 とはいえ、地域にとっては新たな雇用と活気を生み出す試みとなっている。

 文部科学省によると、全国にある公立小中学校の廃校舎のうち、企業が利用するのは22年の98カ所から、28年5月に370カ所へ拡大した。一方、この間に廃校舎の数は、3314から5943に増えた。

 文科省によると、廃校舎の2割以上は用途が決まっていない。担当者は「廃校舎の多くは教育委員会が管理しており、商業利用の発想が乏しい。企業誘致には商工部局と連携した取り組みが必要だ」と語った。

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