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萩市、ブームを有効活用 陶器と果実、首都圏に売り込め   

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萩市、ブームを有効活用 陶器と果実、首都圏に売り込め   

 山口県萩市は平成30年度、明治維新150年を好機として、地元特産品の首都圏売り込みに本腰を入れる。400年の歴史を持つ萩焼や、ユズなどのかんきつ類、日本海の魚介類のブランド化による販路拡大を目指す。東京にある大使館や外国メディアを通じた海外へのアピールも進め、特産品だけでなく観光地としての萩もアピールする。 (大森貴弘)

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 「萩は特産品の売り込みが下手だった。今年は維新150年。このチャンスを生かし、特産品を『萩ブランド』として確立し、販路を広げていく」

 萩市商工振興課の安達義和課長は、こう力を込めた。

 萩は、江戸時代を通じて毛利氏が本拠とした。歴史ファンにはなじみのある街だが、特産品の知名度は今ひとつだった。

 萩では、回遊性のアジに比べ脂がのっている「瀬付きアジ」や、きれいな朱色の小魚「金太郎」など、味の良い魚介類が取れる。加えて、「一楽二萩三唐津」と茶道の世界で好まれた萩焼、ユズなど特産品にあふれている。

 それでも、「下関といえばフグ」というほどの知名度はない。

 萩市はブランド力向上を目指して、4月以降、主に首都圏で、百貨店の買い付け担当者らに商品企画などへの意見を聞く。市場獲得が見込める商品については、百貨店に専用コーナー設置を働きかける。首都圏の飲食店などへの直送も目指す。

 また、特産品の「冠」になるようなブランド名を考案する。

 「これまで部署ごとに『萩の~』と名付けてバラバラに売っていた。これを一本化し、消費者に刺さる名前をつけたい」(安達氏)

 平成30年度中にブランド名を決定し、翌年度から売り込みを本格化させる。地域商社の設立も視野に入れているという。

 一連の事業には、山口フィナンシャルグループのコンサルティング企業「YMFG ZONEプラニング」が協力する。

 ◆呼び込みに注力

 外部への特産品売り込みと並行して、萩への誘客策も強化する。

 例えば、萩市川上地域の特産品「川上ゆず」を生かした、体験型観光を実施する。萩・阿西商工会が中心となり、ユズの収穫と、ユズの果実を使った染め物体験などを企画した。4月以降、旅行会社を通じて、体験ツアーを販売するという。

 外務省が主催する「地域の魅力発信セミナー」にも参加する。駐日大使館や海外の航空会社、旅行会社、メディアなどを対象に、全国から選ばれた自治体が、毎年、プレゼンテーションなどを行ってきた。

 今年は、萩市を含む4自治体が選ばれた。第1回のセミナーは、東京都内のホテルで6月に開かれる予定。市は輸出実績がある萩焼を中心にPRする。「ろくろ体験」なども計画しているという。

 昨年1年間、萩市を訪れた観光客は、外国人を含めて242万人だった。特産品の売り込みと、観光客の受け入れ強化によって、市は平成31年の観光客250万人以上を目標に掲げる。

 藤道健二市長は「明治維新150年は、萩にとって大きな節目になる。産業を振興させ、萩の創生につなげたい」と語った。