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下関の玄関口「シーモール」改装オープン 郊外型店舗に反転攻勢

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下関の玄関口「シーモール」改装オープン 郊外型店舗に反転攻勢

 山口県下関市の商業施設「シーモール下関」が21日、リニューアルオープンした。同市の玄関口であるJR下関駅に隣接するシーモールは、大規模改装によって魅力をアップし、郊外型店舗からの顧客奪還を目指す。オープン前には、雨にもかかわらず、入り口に約5千人が列をつくった。 

(山口支局 大森貴弘)

 オープン前の記念式典で、運営する下関商業開発の吉田実社長や、前田晋太郎市長らがテープカットをして祝った。

 吉田氏は「第2の創業というスタート地点に立った。さまざまな世代が交流する拠点を目指したい」とあいさつした。前田氏も「中心市街地のにぎわいが増すことを期待する」と述べた。

 リニューアルにあたっては、若い世代や家族連れの取り込みを狙った。「ちょっと先の未来」をテーマに、階ごとに特徴付けをしたという。

 生活雑貨が主だった1階には、フードコートを設けた。ハンバーガーやうどんなど8店舗、約500席を備える。ベビーカーや車いすでも立ち寄りやすいよう、動線やエレベーターの設計を工夫した。

 2階には、今回のリニューアルの目玉として、若者に人気のファッションブランド「H&M」が入った。山口県内と北九州市を含めた関門エリアで、初の出店となる。売り場面積1750平方メートルの1フロア構成で、主に若者向けの服飾品をそろえる。

 4階には室内遊園地を設けるなど、子供向け施設も充実させた。

 5階は「クリニックゾーン」とした。内科や整形外科、歯科など5診療科の医療機関に加え、調剤薬局を配置する。「年配の方が落ち着いて過ごせるサロンを目指す」(担当者)といい、5月以降、順次開業するという。

 ■店舗面積を拡大

 シーモールは郊外型店舗との競争だけでなく、若者の地元離れ、通信販売の普及に伴う実店舗離れ、市中心部の衰退など、多くの課題に直面した。

 昭和52年のオープン当時、西日本最大級の商業施設として人気を集めた。平成に入ったころは年間入館者が1千万人、売上高は250億円に上った。

 その後、関門エリアで郊外型の大型ショッピングモール開業が相次ぎ、客足は徐々に遠のいた。商圏人口の減少も進んだ。

 平成28年度は、年間入館者700万人、売上高75億円まで落ち込んだ。

 シーモールの不振は、駅周辺の「地盤沈下」と連動する。創業40周年を迎えた昨年、反転攻勢を狙い大規模リニューアルを決めた。

 事業費16億5千万円を投じ、営業を続けながら工事を進めた。

 店舗数を140から110に減らし、店舗あたりの売り場面積を広げた。新規出店は18を数える。

 こうした改装効果で平成30年度は、売上高90億円、入館者850万人を目指す。

 吉田氏は「駅に隣接していることが一番の強み。山陽、山陰、九州の鉄道ラインに加え、市内のバスの発着拠点でもある。交通弱者が利用しやすい。加えて1600台分の駐車場もある」と自信を見せた。