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「幻の鉄道遺産」広島と島根を結ぶ広浜鉄道今福線で観光振興 浜田でガイドなど育成研修会

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「幻の鉄道遺産」広島と島根を結ぶ広浜鉄道今福線で観光振興 浜田でガイドなど育成研修会

 広島県と島根県浜田市を結ぶ陰陽連絡鉄道として計画された「広浜鉄道・今福線」の魅力を伝えるガイドとコーディネーターの育成研修会が21日、同市で開かれた。関心のある沿線住民らが参加し、座学やフィールドワークなどでガイドの技術やコーディネーターのあり方を学んだ。

 計画された広浜鉄道のうち、今福線は島根県側ルートとして戦前・戦後の2度にわたって工事が行われながら凍結され、現在は橋梁(きょうりょう)やトンネルなどが浜田市内に数多く残る。平成10年頃に廃線跡ブームなどでその存在に光が当たり、20年に土木学会が選奨土木遺産に認定。近年は旅行会社によるツアーが企画されたり、個人のファンらが見学したりと、今福線跡を訪れる観光客が増加している。

 こうした状況を受けて市は、今福線跡を「幻の鉄道遺産」として観光振興に結びつけようと、遺構巡りをPRするパンフレットを製作。さらに、観光客の需要に対して今福線跡を案内するガイドが不足していることなどから、市がガイドとコーディネーターの育成研修会を企画した。

 講座では、産業遺産コーディネーターでNPO法人「Jヘリテージ」総理事の前畑洋平さんやNPO法人「長崎コンプラドール」事務局長の田中潤介さんらが講師を務め、ガイドの基本的な考え方や、コーディネート役の必要性などについて指導した。

 田中さんは「街歩きガイドは、独演会や講義になってはいけない。得意なコースやテーマを持ち、個性を磨こう」とアドバイス。前畑さんは「今福線を『入り口』にして、浜田の観光を盛り上げていく方法を考えては」と話していた。

 このあと、「おろち泣き橋」と呼ばれる4連アーチ橋などに出向いてフィールドワーク。参加者らが、案内の方法などを学んだ。

 ボランティアガイドを手がける石本恒夫・今福線を活かす連絡協議会長は「今福線への関心が高まる中、現在活動できるガイドは2人で、後進の養成が急務」と話していた。