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性的違和「医師は患者に共感を」滋賀医科大が講義 大阪在住の女優・麻倉さん体験語る

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 心と体の性が一致しないトランスジェンダーの当事者が講師となり、医師を目指す学生たちに理解を促そうとする試みが、滋賀医科大(大津市)で始まっている。同大副学長の山田尚登教授は「これからの医師は患者に共感し、利他的に接する能力が必要」と意義を説明する。

 「誰にもいえず一人悩んでいた頃、ドレッサーの前で爪で顔や腕をひっかいて血だらけになっているのに、感情が爆発して覚えていないことが何回もありました」

 3年生が受講する山田教授の「性と精神医学」の特別講師として招かれた、大阪在住の女優・麻倉ケイトさんの告白に、学生らはメモを取りながら熱心に聞き入った。

 現在の医師には知識と技術だけでなく、患者への対応能力(態度)も求められるが、「そこを教えるのが一番難しい」と山田教授。同大ではこれまでにも、エイズやB型肝炎の患者らを授業に招いて生の声を伝えてきたが、講義のスケジュールの問題もあり、10年以上前からは機会がなくなっていたという。

 今回は麻倉さんの希望もあって講義が実現。男性として生まれ、心と体の性の不一致を認識した経緯や幼少期から20代でカミングアウトするまでの苦悩や葛藤、社会や学校、周囲の人との関係などについてさまざまな体験談を紹介した。またカミングアウト前後の心境の変化や、自分が今生きていることの幸せを笑顔で語った。

 授業を受けた篠原有希さん(27)は「性的違和の方のバックグラウンドを知る機会がなかったが、一度でも話を聞くか聞かないかでは大きく違う。将来医師として接するときには、理解されていると感じられるよう接したい」と話した。

 山田教授は「医学教育の中で全てを教えるのは不可能だが、エッセンスを教えることができればいい」と指摘。「患者が学生を前に語る言葉は迫力があり胸を打つ。それをモチベーションにつなげたい」と話した。同大では来年度以降も麻倉さんによる講義を検討している。

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