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被爆クスノキ守ろう 東区の公園で“治療” 樹木医の堀口さん「歴史の証人、広島の宝」

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 原爆に耐え、今も静かに町中に立ち続ける被爆樹木のクスノキの“治療”が17日、広島市東区の公園で行われた。73年前の惨禍を乗り越えた生命力の象徴として存在感を示してきた被爆樹木は近年、倒木の恐れから伐採される木もある。危機に直面する木を守ろうと、市が樹勢回復の措置を実施しており、この日は樹木医らが行う土壌改良作業を市民が見守った。

 クスノキが立つ広島東照宮近くの小さな公園(東区二葉の里)は爆心地から約2キロ。かつての陸軍東練兵場の一角で、今と同じ場所で被爆し、生き続けている。樹齢は120年とされ、高さは17メートルあるが、幹周りは2・5メートルほどしかない。

 被爆時の傷は残っていないが、「樹齢から考えると幹周りが細い。被爆後の生育が緩やかなんです」。市の依頼で治療にあたる樹木医の堀口力さん(72)=広島市西区=は、そう説明した。

 市が爆心地から2キロ圏内にある樹木を認定する被爆樹木は161本が現存。被爆から長い年月が経過して枯れたり、土壌が固まったりして樹勢が弱まっているため、市有地に立つなど公共所有の被爆樹木の治療が平成13度から続けられている。

 堀口さんは、クスノキについて、公園整備のために手を加えられた土壌の影響で根が細くなり、栄養や水分を十分に吸収できないため葉が小さくなっている、と診断。この日は、作業員6人が木の周辺を掘り、肥料や保水性を高める改良材などを入れた。

 住宅建設や道路整備などにより爆心地周辺の環境が激変しているなか、「被爆樹木を守るため生育環境を改善する大事な時期を迎えている」と指摘する堀口さん。「被爆樹木は歴史の証人で、広島の宝です。いつまでも長生きしてもらうため、ダメージを少しでも和らげてあげたい」と話した。

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