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【ZOOM東北】秋田発 鉄道マニア米国人の旅に同行 弁当、雪景色 感動の連続

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 米国人の鉄道マニア、カーク・パーカーさん(56)が「雪の中を走るローカル線に乗りたい」と単身来日した。秋田内陸縦貫鉄道(秋田内陸線)で農家のお母さんたちが手作り総菜を振る舞う「ごっつぉ(秋田弁で『ごちそう』)玉手箱」ほか、東北・北海道の鉄道を約2週間かけて制覇。「BENTO(弁当)列車アメイジング(素晴らしい)!」など感動の連続だった旅の一部に同行した。(藤沢志穂子)

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 米サンディエゴのIT企業に勤めるカークさんの来日は、仕事を含め5回目。最初は大阪万博に家族と観光に訪れた昭和45年で、当時の東海道新幹線にも乗車。次第に日本のアニメやマンガ、食文化に興味を持つようになる。かつ「車窓を眺めて写真を撮影するのが好き」な鉄道マニアとなり、欧米や南米、アジアと世界各国の鉄道にも乗ってきた。

 ◆列車「ごっつぉ玉手箱」

 今回は1月末から2月にかけて2週間の休暇を取っての旅で、空路、来日した以外の移動は全て鉄道。最初のハイライトが、秋田新幹線で角館まで来て秋田内陸線に乗り換え、阿仁合駅まで走った企画列車「ごっつぉ玉手箱」だった。沿線の農家のお母さんたちが手作りの総菜を各駅から持ち込み、農閑期の週末に不定期で運行する。平成21年に始まり、これまで約50回、約1400人が参加した。

 カークさんは日本人が書いた「玉手箱」の乗車ルポをネット上で発見。日本語は読めないが「BENTOと美しい車窓の写真に魅了された。オンライン上の翻訳サービスを使って読み、サンディエゴに住む日本人の友人に予約を頼んだ」。

 内陸線は台湾や韓国などアジアの団体客が多く、すでに2万人以上の外国人が乗車しているが、欧米人の一人旅はかなり珍しい。

 カークさんが乗車した1月27日のメニューは、角館駅からふかし芋と干し柿▽西明寺駅で漬物▽八津駅からそば▽羽後長戸呂駅で混ぜご飯▽松葉駅でタケノコみそ炒め、サケ押しずしほかのおかずセット-などで完食。「『BENTO』と鉄道、雪景色のコンビネーションがアメイジング!」

 阿仁合駅到着後は3駅先の阿仁前田駅に直結する露天風呂つき温泉施設「クゥインス森吉」へ。「雪の降る中で湯につかったのは初めて。アメイジング!」。その後カークさんは能代に出て、JR五能線「リゾートしらかみ」に乗車して海岸沿いの車窓を堪能。青森では津軽鉄道の「ストーブ列車」に乗車。車内サービスのスルメ焼きを楽しんだ。北海道に渡って札幌の定山渓温泉に宿泊。帰路は札幌から特急と北海道・東北新幹線を乗り継いで東京に戻り、空路帰国した。

 ◆英語表記などの充実を

 日本の鉄道は「ファンの気持ちを理解している」と褒める。「時間に正確でメンテナンスも丁寧。『リゾートしらかみ』は窓が大きく、絶景ポイントでゆっくり走ってくれてよい写真が撮れた。ローカル線では運転席の横に陣取って撮影する、僕のようなマニアがたくさんいた。いずれも海外では少ない」。ただJRの外国人用フリー切符「ジャパン・レール・パス」には「ICチップを入れて」と指摘。「改札で係員にいちいち見せるのは面倒。もっと日本の地方に行ってみたい。次は九州かな?」

 カークさんのような知識人かつ富裕層で、個人で来日する外国人観光客は京都などに多い。日本にひかれリピーターとなり、よりディープな地方に足を延ばそうとするが、英語表記もWi-Fi設備も乏しい。自力で何とかするしかなく、カークさんは最新のIT機器を持ち込んだ。地方に外国人を誘導するには、ディープな日本の文化を解説し、楽しんでもらえる環境整備を急ぐ必要がある。

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